[Gear Maniax #171] スマホの画角なら全て照らせる2700ルーメンのヘッドランプ

NITECOREの「HC30」が廃盤になったようです。XM-Lを搭載して1000ルーメン、18650電池を搭載したコンパクトなヘッドランプ。個人的にも気に入っていて、旅行の時など重量を抑えつつ18650電池を搭載したライトを持っておきたい時には選択したものです。「マイHC30」はまだ健在ですが、それでも廃盤のニュースは残念な感じがしますね。

さて、今回ご紹介するのは「HC35」になります。「HC30」のイメージでコンパクトなヘッドに4LEDを詰め込んだライトかと思っていたのですが、「HC30」よりひとまわりデカかった(笑)。そういえば、21700電池搭載機ですね。基本スペックの大光量化や、使用現場での性能要求に応えて、バッテリーは大型化し続けていますので、止むを得ないのですが、なんかちょっと面食らうような感覚もあります。

尋常じゃなく小顔のマネキンさんですので、さらにでかく見えますね。と言っても、実測重量は電池込みで170g程度。大容量電池を備えたヘッドライトとしては軽い方だと思います。

ヘッドライト台座への取り付け方法が変更されていて、金属のクリップ部分に首の部分の溝を挟み込むタイプになりました。以前のスタイルだと、クリップをつけたままゴムバンドを無理やり通して、バンドを切ってしまうユーザーも多かったので、良い改良だと思います。ヘッドバンドも以前のものより軽量化されていて、進化を感じさせます。

バンドから外した状態ではマルチライトとして使用可能。L型ライトのメリットの1つですね。「HC30」「HC33」を含め、L型ライトには各社の名作が多い気がします。

従来のHCシリーズにはなかった、底面のマグネットが搭載されました。鉄板面にガッチリと張り付きます。工業系のライトは鉄製品の近くで使われることが多く、望まれた機能だったのでしょうね。

特徴的な四眼フェイスは、さらにディフューザーで拡散され、手元から広がる光になります。

カメラの画角は換算27mm、スマホの標準画角いっぱいを埋め尽くせるワイド配光。このワイドでフラットな光は、汎用のヘッドライトやワークライトに最適なものです。最大光量は2700ルーメン。流石に1000ルーメンクラスとは比較にならない明るさです。

その一方で、非常に暗いモードも備えています。わかりにくいですが、照射面とスマホの画面を並べてみた画像。十分に暗く点灯でき、しかも消灯状態からアクセスしやすいので、キャンプや登山など真っ暗な状態からライトを探すような状況でも目をやられません。

従来のHC30系シリーズにはなかった充電機能も搭載。これも時代に合わせた仕様変更ですね。便利だと感じるユーザーの方が多いでしょう。例えば同社の「MH12」と「P12」は性能面では同一、充電機能があるかどうかの違いですが、圧倒的にMH12系の方が人気で、産業系法人にも多く採用されていたりします。

時代の流れを盛り込んだHC30系シリーズの最新作。細部のブラッシュアップで、アウトドアライト・業務用ライトとしては非常に進化しました。操作系も使いやすく、明るさと器用さを併せ持っています。ちょっと大型化しましたが、それを許せる用途であれば、活躍しそうです。(アカリセンター価格:1万1979円)

 

>> 連載[Gear Maniax]

(文・写真/アカリセンター


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