ヤフー株式会社は、ソフトバンク株式会社子会社のSBエンジニアリング株式会社および、経路検索サービスの大手であるジョルダン株式会社とともに、ネットとリアル店舗の融合を実現する次世代型店舗「QRECS(キュレックス)」を開発。
このたび、「QRECS」を設置する商業施設ならびに出店を希望するストアの申し込み受付を開始した。
ネット×リアル店舗の誕生
「QRECS」は、商品棚とデジタルサイネージを併設した次世代型店舗だ。ネットで販売されている商品を実際に手に取り、体感してから、デジタルサイネージで商品を選択し、画面に表示されたQRコードをスマホやタブレットのカメラで読み取ることで、オンライン購入が可能となる。
このたび、「QRECS」を設置する商業施設と、出店を希望するストアの募集を開始。「QRECS」は、「Yahoo!ショッピング」や「PayPayモール」に出店しているストアの利用を推奨しているが、独自のECサイトのみを持っている人でも利用可能だという。また、「QRECS」専用のECサイトの構築も可能であり、ECサイト未出店でも申込みができるとのこと。
3方向へのメリット
ユーザーは、「QRECS」を利用することで、オンラインショッピング限定の商品でも質感やサイズ感などを試せたり、地方の名産品などのリアル店舗に在庫のないものも購入できたりと、購入体験の向上が期待できる。また、購入した商品は指定した場所へ配送されるため、大きな荷物などでも持ち帰りの負担がなくなるのも特長だ。
購入には、購入者情報や配送先、決済情報などの入力が必要だが、「Yahoo!ショッピング」や「PayPayモール」の商品を購入する場合は、Yahoo! JAPAN IDの連携ができるという。
一方、「QRECS」を設置する商業施設にもメリットがある。「QRECS」は省スペースで設置できるため、空きスペースを有効活用して新たな収益(出店者からの出店料)を創出することが可能となる点だ。
そして、出店するストアにもまたメリットが多数。まずはユーザーに商品を体感してもらえるということだろう。つぎに、これまでオンラインだけではリーチできなかった層へアプローチでき、新規顧客獲得、売上向上につながる点だ。さらに、「QRECS」は、現場での接客・レジ対応や在庫調整などが不要だというのも魅力だろう。そして、月単位で契約が可能なため、期間限定のポップアップショップの出店やテストマーケティングを低コストで実施できるというメリットがある。
今後は、多言語対応のほか、AIを活用したカメラを搭載し、通過・滞留人数やサイネージ閲覧数、ユーザー属性などの計測・分析を行うという。その結果を表示内容や出店料の検討の参考にするなど、ユーザー、設置オーナー、出店者にとって利便性の高いサービスの実現に取り組んでいくとのことだ。
実際に手にとって納得し購入することでユーザーは買い物の失敗を減らせそうだ。ストア側も返品や交換といった作業を軽減できるかもしれない。近年話題となっているOMOを体現する「QRECS」の今後に注目したい。
- Original:https://techable.jp/archives/118460
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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