ソフトバンクが3月27日から5Gサービスを開始します。3月5日に開催された発表会で、5G対応のスマートフォンや料金プランが発表されました。本来なら発表会に出向いて、いち早く新製品に触れたレポートをお届けするところですが、あいにく今回の発表会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにライブ中継で行われました。
▲インターネット中継された発表会では、ソフトバンクの榛葉淳副社長が登壇し、最新モデルなどを紹介した
5Gとは「5th Generation(第5世代)」の略で、新しい移動通信システムのことです。現在の通信システムは4Gで、それに続くものなのですが、3Gから4Gに変わったときよりも、4Gから5Gのほうが大きく飛躍的に変化するので、あちこちで「5Gはすごい!」「世の中を変えるぞ!」と囁かれているわけです。
▲発表会では、5Gの高速・大容量・低遅延といった特性を生かす新サービス「5G LAB」のプレゼンテーションも行われた。音楽ライブやスピーチなどを、より臨場感あふれる映像で楽しめるようになる
そんな5Gをいち早く体験できるスマホとして、まずは4機種が順次発売されます。
■8Kビデオが撮れるフラッグシップ「AQUOS R5G」
約6.5インチの「Pro IGZOディスプレイ」を搭載。IGZOは省電力性能に定評があるディスプレイですが、さらにシャープが液晶テレビで培った高画質化技術を応用し、10億色の表現を実現し、視聴環境やコンテンツによって、自動で適切な輝度に調整される機能も備えています。
▲約6.5インチのディスプレイを搭載する「AQUOS R5G」(シャープ製)。3月27日発売で、価格は12万9600円(税込)
▲背面には、クアッドカメラを搭載。カラバリは、このアースブルーのほかに、ブラックレイ、オーロラホワイトから選べる
アウトカメラは4眼で、望遠(約1220万画素)+超広角(約4800万画素)+広角(約1220万画素)+ToF(3D情報を計測)という組み合わせ。超広角カメラは120°と広い画角で、8Kビデオも撮影可能。4つの画像をまとめて1つの大きな画素として使う「クアッドベイヤー」という構造を採用し、画質向上も図られています。インカメラは約1640万画素。
CPUはSnapdragon 865(最大2.8GHz)で、メモリはRAMが12GB、ROMが256GBという超ハイエンド仕様。防水・防塵、おサイフケータイにも対応しています。
■4000mAhの大容量バッテリーを搭載「ZTE Axon 10 Pro 5G」
約6.4インチの有機ELディスプレイを搭載し、狭額縁設計により約92%の画面占有率を実現。画面内に指紋センサーを搭載し、認証速度が速く、スピーディーにロックを解除できるそうです。
▲約6.4インチの有機ELディスプレイを搭載する「ZTE Axon 10 Pro 5G」(ZTE製)。3月27日発売で、価格は8万9280円(税別)
▲カラーはブルーのみ
アウトカメラは約4800万画素+約2000万画素+約800万画素のトリプルカメラで、被写体や撮影シーンをAIが解析し、最適な設定が行われる機能も備えています。インカメラは約2000万画素で「美肌機能」も搭載。
発表会では「ミドルレンジ」と紹介されましたが、CPUはハイエンド向けのSnapdragon 865(最大2.8GHz)を採用しています。メモリはRAMが6GB、ROMが128GBなので、パパフォーマンスもハイエンド並みの処理速度を期待していいでしょう。バッテリーは400mAh。防水・防塵、おサイフケータイには対応していません。
■5G向けコンテンツを存分に楽しめる「LG V60 ThinQ 5G」
発売中の「LG G8Q ThinQ」と同じように、同梱の「LGデュアルスクリーン」を装着すると2画面スマホとして使えるユニークなモデル。LG G8Q ThinQのディスプレイは約6.4インチですが、このLG V60 ThinQは、さらに大きい約6.8インチの有機ELディスプレイを搭載しています。2つの画面で2つのアプリを同時に使えることはもちろん、音楽ライブやスポーツをいろいろな視点で視聴できるなど、ソフトバンクの5Gサービス「5G LAB」も快適に楽しめます。
▲約6.8インチの大画面ディスプレイを搭載する「LG V60 ThinQ」(LGエレクトロニクス製)。4月下旬以降発売予定で、価格は未定
▲背面にはトリプルカメラを搭載。カラーはクラッシーブルーのみ
▲同梱の「LGデュアルスクリーン」を装着すると、折りたためる2画面に変身
アウトカメラは約6400万画素+約1300万画素+ToF(3D情報を計測)のトリプルカメラで、8Kビデオの撮影にも対応。4つのマイクを搭載しているので、臨場感あふれるビデオ撮影を楽しめるでしょう。約1000万画素のインカメラも搭載しています。
CPUはSnapdragon 865(最大2.8GHz)で、メモリはRAMが8GB、ROMは128GB。防水・防塵、おサイフケータイにも対応しています。5000mAhの大容量バッテリーを内蔵しているので、電池持ちにも期待できます。
■お手頃価格で5Gを体験できる「OPPO Reno3 5G」
ソフトバンク初のOPPO製モデルで、国内ではソフトバンクだけの独占販売になるそうです。
▲約6.55インチの有機ELディスプレイを搭載する「OPPO Reno3 5G」(OPPO製)。7月下旬以降発売予定で、価格は未定
▲カラーはミスティ ホワイトのみ
約6.55インチの有機ELディスプレイは、狭額縁設計と画面内にインカメラを搭載することで約93.4%という高い画面占有率を実現。アウトカメラは約4800万画素+約1300万画素+約800万画素+約200万画素の4眼。インカメラは約3200万画素で、AIによって肌をキレイにしたり細身にしたりできる「AIビューティー機能」も楽しめます。
厚さ約7.7mmのスリムなボディながら、4025mAhの大容量バッテリーを搭載していることもアドバンテージ。発表会では、4機種の中では「エントリーモデル」と紹介されていたので、最も安い価格で販売されると思われます。しかし、CPUがSnapdragon 765(最大2.3GHz)で、メモリはRAMが8GB、ROMが128GBなので、性能はミドルクラスと考えていいでしょう。おサイフケータイにも対応しています。
■2年間は4Gスマホと同じ料金で利用可能
ソフトバンクの5Gサービスを利用するには、月額1000円の「5G基本料」が必要です。しかし、対象プランに加入している場合は、「5G無料キャンペーン」(申し込み不要)が適用され、「5G基本料」が2年間無料になります。
▲2020年8月31日までに5Gスマホを購入したら、5G基本料は2年間無料になる
▲3月12日から申し込み受け付けが始まる「メリハリプラン」の場合、各種割引が適用されると月額3480円(7か月目以降は4480円)から利用可能。新サービス「5G LAB」の利用料も無料になる
ただし、すぐにどこでも5Gにつながるわけではありません。3月27日のサービス開始時点では、東京、名古屋、大阪、福岡などの大都市の一部地域に限られます。その後、既存の4Gの基地局を5Gに転用するなどして、2021年末までに5Gの人口カバー率を90%超にすることをめざしているとのこと。なお、サービスエリアはソフトバンクのサイトで確認できます。
スマホでの通信速度は、3月27日発売の2機種は下り最大2.0Gbps、上り最大103Mbpsなので、5Gがつながる場所では、驚くほど快適なスピードを体験できるかもしれませんね。
>> ソフトバンク
(取材・文/村元正剛)
iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
- Original:https://www.goodspress.jp/news/282786/
- Source:&GP
- Author:&GP
Amazonベストセラー
Now loading...