オンラインゲームのプレイヤーがゲーム内でアイテムをゲットしたとき、そのアイテムの保有者は誰だろう? プレイヤー? それともゲームを作った会社?
ほとんどの場合、その答えはおそらく後者だろう。アイテムはプレイヤーのデジタル目録に入るだろうが、会社はアイテムを取り上げたり、プレイヤーが売ったり誰かにあげたりするのを阻止したりすることができる。
Horizon Blockchain Gamesは、まず自社のタイトルから、ゲームにおける所有権の問題に取り組んでいる。これを実現するために、同社は追加で500万ドル(約5億1000万円)を調達した。
Horizonは2つの事業に並行して取り組んでいる。ひとつ目は「Arcadeum」というイーサリアムベースのプラットフォームを構築してゲーム内のアイテムを扱うことだ。アイテムのインスタンスを取得したら、そのアイテムを実証できるかたちでプレイヤー間で交換、販売、贈与できるようにする。プレイヤーが所有したアイテムはそのプレイヤーのもので、使用、交換、販売をすることができる。Horizonが取り上げることはできない。ゆくゆくはこのプラットフォームをほかのデベロッパーが利用できるように公開する計画だ。
もうひとつは、自社でのゲーム開発だ。「SkyWeaver」というデジタルトレーディングカードゲームは、同社を成長させるものであるのと同時にプラットフォームの見本でもある。
SkyWeaverはファンタジー系のトレーディングカードゲームで、Blizzardの「Hearthstone」に似ているといえばわかりやすいだろう。Windows、macOS、Linux、iOS、Android版があり、無料でプレイできる。
SkyWeaverのプレイヤーは購入、取得、交換で得たカードでバトルをする。現在は約500種類のカードがあり、それぞれのカードに「銀」と「金」がある。
ゲーム内のカードはすべて、基本の「銀」を2ドル(約205円)で購入できる。同社によれば、数ドルあれば誰もが最も強いと思われるカードを獲得できるようにしており、フィールドを公平にしているという。一方、「金」カードは、見た目だけが違うもので能力や使い勝手に変わりはないが、戦って手に入れるか、オープンなマーケットでほかのプレイヤーから購入する必要がある。「銀」のカードは常に2ドル(約205円)で買えるが、「金」カードの価値はレア度や需要によって激しく変化する。
SkyWeaverのカードは、ブロックチェーンを利用したプレイヤーのArcadeumウォレットに保管される。ただしシンプルにするために、ブロックチェーンの複雑な部分は表面的には見えない。プレイヤーが自分で扱いたいと思えば、カードをイーサリアムベースの別のウォレットに送ることができる。
SkyWeaverは2019年7月ごろからプライベートベータが運用されている。HorizonのチーフアーキテクトのPeter Kieltyka(ピーター・キルティカ)氏はTechCrunchに対して、このゲームのプレイヤーは現在1万2000人ほどで、ウェイトリストには9万2000人が登録されていると語った。
Horizonは2019年のシードラウンドで375万ドル(約3億8000万円)を調達した。同社は今回の調達を、最初のラウンドの拡張と位置づけている。今回のラウンドは前回も投資したInitialized Capitalが主導し、Golden Ventures、DCG、Polychain、CMT Digital、Regah Ventures、ConsenSysも支援した。
Horizonは、SkyWeaverのパブリックベータを2020年後半に公開する予定だとしている。
[原文へ]
(翻訳:Kaori Koyama)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/03/10/2020-03-06-horizon-raises-another-5m-to-put-virtual-items-on-the-blockchain/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Greg Kumparak
Amazonベストセラー
Now loading...