TechCrunchが得た情報によると、米トランプ政権は国家安全保障上のリスクを理由に、連邦政府の部門や機関が外国製ドローンを購入または使用することを禁止する大統領令を準備している。
TechCrunchが確認した大統領令の草案は、この数週間で起草されたものだ。ドローンが収集した機密データが敵国に送信される恐れがあるため、外国製ドローンと外国製部品を使用するドローンの両方を事実上禁止する案だ。草案は特に中国の脅威を強調している。中国は米国で政府と消費者の双方にドローンを供給する主要拠点だ。他国製も後で追加される可能性がある。
草案は、米国製ドローンの使用を「奨励する」ことが政府の方針だと述べている。
署名されれば、連邦政府機関は1カ月以内に大統領令を順守する必要がある。だが草案によれば、軍と諜報機関に広く免除を認める見込みだ。
ホワイトハウスの広報は問い合わせに対しコメントを控えた。
これは中国製の技術を取り締まる最新の動きだ。中国政府が権力と影響力を行使して企業にスパイを強要している懸念がもたれている。とりわけHuawei(ファーウェイ)とZTE製品は、米政府機関内の使用が禁止された。中国政府とのつながりがリスクとなるという主張に両社は反論している。中国政府は、米国その他の外国製技術の政府内使用を禁止することにより対抗した。
米政府が中国製ドローンを広範に使用している点が、ここ数カ月でより厳しく精査されている。米内務省は1月、収集されたデータが米国の敵にとって「貴重」だという懸念から、800近くの外国製ドローンの使用を緊急時を除き禁止するよう命じた。
だが、TechCrunchが2019年7月に確認した電子メールによると、禁止命令が発効するほんの数カ月前まで、外国製ドローンの使用に伴うリスクに関して政府内部で不一致があったようだ。内務省の最高情報責任者であるWilliam Vajda(ウィリアム・ヴァイダ)氏は、2人の上級スタッフへのメールで、同省のドローンプログラムは外国製ドローンの「リスクを理解した上で軽減するための適切な措置を講じている」と述べた。
「より効果的なリスク軽減策は、非外国、すなわち米国の技術のみを使用することだ」と同氏は述べた。
内務省が使用するドローンの大部分は、DJIなど中国拠点の会社が製造したものだ。大統領令が署名された場合、最も多くを失うのはDJIだ。10年後に約150億ドル(約1兆5600億円)の規模が見込まれる市場で、同社は世界のドローンの約70%を供給している。
内務省の広報は、同省が外国製ドローンの「リスクをさらに検討する」ために取り組んでいると語った。
DJIの広報担当Michael Oldenburg(マイケル・オルデンバーグ)氏は声明で「当社は草案を確認していないが、今回の提案は製造国を名目としたドローン技術に対する新たな攻撃だ。最近の報告によれば、 農務省、内務省、魚類野生生物局、さらにホワイトハウスの行政管理予算局もこのような攻撃を批判している」と述べた。
「これら機関の当局者らは互いに協議し、このようなアプローチが米国の利益を毀損するだけでなく、サイバーセキュリティーの問題解決にもならないと説明している。また、DJIの製品が政府の業務で安全に使用できると検証されたことも認めている」とオルデンバーグ氏は述べた。
画像クレジット:Bloomberg / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/03/13/2020-03-11-us-order-foreign-drones/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Zack Whittaker
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