新型コロナウイルスによる影響は長期化しそうとの見通しが出ており、そうなると増加が予測される重篤化患者への備えが重要になる。
治療法やワクチンの開発に関しても急ピッチで進められているが、これらがいつ実用化されるかは気になるところだ。
こうしたなか、バイオ医療研究や治療法に関するリサーチ団体、Milken Instituteが、新型コロナに関する治療法やワクチンの開発状況一覧をリリースした。
・すでに臨床試験に入っている治療薬も
Milkenによる一覧表には、58の治療法と43のワクチンの開発プロジェクトの概要が記載されている。開発元やFDA(アメリカ食品医薬品局)承認の有無、開発ステージやソースなどが一覧で確認できる形式だ。
例えば、武田製薬が開発中の治療法「TAK-888」(回復した患者から摂った血小板由来の、重篤患者への治療法)に関しては、患者に投与できるまで6~18カ月と予想されている。
一方で、富士フィルムなどが開発し、新型インフルエンザやエボラにも使われた治療薬「Avigan」は、すでに臨床試験を行っていることがわかるだろう。
・ワクチンではModernaの「mRNA 1273」のみが臨床試験ステータス
開発から実用には18カ月以上を要するといわれるワクチンは、臨床試験前のものがほとんどだ。ただ、mRNAベースのワクチンは早急に開発できることが知られていて、すでにModernaが医療従事者向けの投与の準備を進めている。
ジョンズ・ホプキンズ大学の論文によるとこの手のワクチンには短所もあり、体液性の免疫を利用する同ワクチンでは一時的にしかウイルスから身を守れないようだ。
Milkenによる一覧表は随時内容が更新されるとのことで、網羅的に新型コロナの治療法やワクチン開発状況について知りたい方は定期チェックをおすすめする。
- Original:https://techable.jp/archives/119937
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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