未来のAR/VRヘッドセットは視点に追従して焦点を合わせるライトフィールド技術が本命か

何年にもわたって話題になってきたARとVRはこのところ静かになっているが、一部の投資家は、技術的欠陥が克服されれば、それらはモバイルデバイスに取って代わるかもしれないという展望を持っている。

ディスプレイの基本的な技術を研究開発しているスイスのスタートアップであるCrealは、VRとARのヘッドセットをさらにリアルな光学的技術によって、今よりも快適なデバイスにしようとしている。

同社は2019年にInvestiereとDAA Capital Partnersから、シリーズAで740万ドル(約8億2000万円)を調達した。さらに今週にはEUの技術革新促進事業であるHorizon 2020から助成金を獲得して、同社のライトフィールドディスプレイ技術の研究開発を継続することになった。

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ライトフィールドディスプレイは、これまでとはかなり異なる種類のディスプレイだ。今あるARやVRのヘッドセットは、右の目と左の目に若干異なる像を見せることで立体画像を表示するが、未来のヘッドセットは、目がどこを見ているかによって像のフォーカスを変える。ライトフィールドディスプレイやライトフィールドカメラは、前方でも奥でもどこにでも焦点が合う像を作り出す。この技術によって、輻輳(ふくそう)調節矛盾(Vergence-Accommodation Conflict)に由来する目の疲れがなくなり、顔に近いオブジェクトとも対話でき、VRの視界が細部までもっとわかりやすい世界になる。

下の動画は、同社の技術を一般的なレンズで撮影した映像で擬似的にデモしている。

ライトフィールド技術の実装には、さまざまな方法がある。Magic Leapはこの技術の軽量バージョンを同社のヘッドセットに採用し、目の動きの捕捉によって切り替わる2つの焦点面を利用している。この可変焦点(Varifocal)方式には、Oculusを通じてFacebookも投資しており、複数の面の間でユーザーが焦点を変えられるヘッドセットのプロトタイプを披露したことがある。

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Crealもライトフィールドの技術を小型化するために、Facebookのような大企業と同じ困難に対処しなければならない。それは何を犠牲にするか、という問題だ。同社の最も近い目標は、その技術を仮想現実のヘッドセットに組み込むことだが、数年後にはそれを軽量のARヘッドセットにも応用したいと考えている。

新しい技術を構築するCrealのようなスタートアップは、世界不況の影響を受けやすいだろう。最前線にある技術への投資は、不況の犠牲になりやすい。不安定な経済が今後も続けば、Facebookのような大企業がますます有利になり、同様の技術に取り組んでいるスタートアップは生き抜くためにコスト削減を強制される。

Oculusは最近、VRニッチ市場に成功しているが、拡張現実のハードウェアはスタートアップにとってもっと難題だ。2019年はMeta、ODG、 Daqriなど多くの企業が閉鎖された。3月初めにはBloomberg(ブルームバーグ)が、Magic Leapは数十億ドル(数千億円)の資金を獲得した後、売却を視野に入れていると報じている。ARは特に売ることが難しい。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa


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