【特集】コスパ最強モノ
GoodsPressの人気特集『安くて良いモノ特集』が今年もやってきました! しかし、ホンモノを求める我々は “安物” には興味ナシ! 知りたいのは「本当にそれ使えんの?」ってところ。安いからと買ってはみたものの、「ちょっと高くても、やっぱりアッチにすべきだったな」なんて経験、誰しもあるはず。ということで、「コスパに優れるモノ」を徹底調査。最先端の技術が搭載された家電や10年使えるカバンなど、長い目で見ると結局オトクだった、と思ってもらえる“ホンモノ”を識者のコメントとともに紹介。今回は「ハイコスパSUV」を紹介。
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昨今、世界的に注目を集めるSUV。高い車高を生かした広い室内とラゲッジスペース、そして、セダンやハッチバックから乗り換えても違和感のない走りなどが人気の理由だ。そうしたニーズを踏まえ、遊べる上に運転しやすく、かつ買い得感も高い話題のモデルが続々と登場している。この春はそんな、ハイコスパSUVに注目だ。
教えてくれた人
自動車ライター工藤貴宏さん
自動車専門誌の編集部員として活動後、フリーランスに。使い勝手やバイヤーズガイドを含めた新車の紹介記事などを中心に、『&GP』を始めとするWebや雑誌に寄稿。たまの休日には、愛車のSUVでドライブとアウトドアレジャーを楽しんでいる
■今、ハイコスパSUVが買いの理由
1. レジャーアイテムの積載に適した使い勝手のいいラゲッジスペース
「ハイコスパSUVはコンパクトなモデルが多いですよね。それでも、メカの搭載空間を小さく抑えて荷室の容量を拡大したり、床下の収納スペースを確保して使い勝手向上に注力したりした意欲作が増えています」(工藤さん)
2. ゆとりの最低地上高で雪道やオフロードも苦にしないタフな走り
「SUV人気を後押ししている要素のひとつが、セダンやハッチバックより大きな最低地上高。スキー場付近の雪道やキャンプ場近くの悪路なども苦にせず走れます。それでいて最新モデルは、舗装路での走りも快適です」(工藤さん)
3. 街中の狭い路地でも運転しやすい持て余さないボディサイズ
「かつてSUVといえば、ボディサイズの大きい車種が主流でした。でも人気のハイコスパSUVはコンパクトモデルが多い。その分、狭い路地でも運転しやすいんです。街乗りからレジャーまで1台でカバーします」(工藤さん)
■2020年春注目のSUV6選
1. 広い室内と荷室は小さなボディを意識させない!
トヨタ
「ライズ」(167万9000円~)
街中でも運転しやすい5ナンバーサイズでありながら、前後シートの間隔は900mmというゆとりのサイズ。後席の足下も十分広いので、ファミリーユースにも対応します。数々の工夫で使い勝手を高めた荷室にも注目です(工藤さん)
デビュー直後から大ヒットを記録しているトヨタ最小のSUV。全長は3995mmと4mを切り、全幅は1695mmに収めた今や貴重な5ナンバーサイズ。にもかかわらず、エンジンなどのメカスペースを可能な限りコンパクトに設計することで、小さなボディでも広い室内と荷室を確保した。
<SPECIFICATIONS>
●試乗車:Z(2WD)
●ボディサイズ:L3995×W1695×H1620mm
●車重:980kg
●駆動方式:FF
●エンジン:996cc 直列3気筒 DOHC ターボ
●トランスミッション:CVT
●最高出力:98ps/6000rpm
● 最大トルク:14.3kgf-m/2400~4000rpm
▲エンジンは98psと数値上は非力だが、低回転域から厚いトルクを発生。出来のいいCVTと相まって、発進&加速時は想像以上に力強い
▲上級グレードのインパネ周りと前席は、各部に赤いアクセントカラーを配することでスポーティな仕立てに
▲リアシートは、大人が足を組んで座れるほど足下が広い
▲リアシート使用時の荷室容量は、可動式デッキボードを下段にセットした状態で369L。これはひとクラス大きなSUVを凌駕する広さだ
▲床下には、同条件で深さ215mm&80L(2WD車)という大容量サブトランクが用意されている
<コチラも注目>
▼ダイハツの兄弟車も大人気!
ダイハツ
「ロッキー」(170万5000円~)
「ライズ」は、ダイハツ工業が基本設計や開発、生産を行う“OEM(相手先ブランド)”モデルで、ダイハツにも基本的に中身が同じ「ロッキー」がラインナップされる。 2台は一部のデザインと装備内容が異なるため、好みに合わせて選ぶといいだろう。
2. 美しいデザインと優れた機能性を両立
マツダ
「CX-30」(239万2500円~)
マツダ3より高くなった車高の恩恵か、乗り心地は良好です。それでいて、ドライバ ーのハンドル操作に対して自然かつリニアに反応し、向きを変えてくれるため、とても気持ちよくドライブできます(工藤さん)
先行デビューした「マツダ3」と同じ新世代プラットフォ ームの採用で、SUVらしからぬ軽快な走りを実現。ボディは、一般的な機械式の立体駐車場にも対応するサイズに設定するなど、日常での扱いやすさにも配慮した。
<SPECIFICATIONS>
●試乗車:XD Lパッケージ(4WD)
●ボディサイズ:L4395×W1795×H1540mm
●車重:1530kg
●駆動方式:4WD
●エンジン:1756cc 直列4気筒 DOHC ディーゼル ターボ
●トランスミッション:6速AT
●最高出力:116ps/4000r pm
●最大トルク:27.5kgf-m/1600~2600rpm
▲最低地上高は175mm。特に4WD仕様は、電子デバイスの “オフロード・トラクション・アシスト”と相まって、ぬかるんだ悪路もラクに走破できる
▲荷室はリアゲート内張りを可能な限り薄く仕上げるなどで、大型のベビ ーカーも難なく積めるように配慮。レジャーギアの積載にも重宝する
▲上質な仕立てのコックピットは、洗練された色使いにも注目。人間工学に基づいたシート骨格の採用などで、ベストな運転姿勢をとれる
3. 広く使いやすくなった軽SUVの本命
スズキ
「ハスラー」(128万400円~)
四角くなったキャビンの恩恵で、前席に座る乗員間の距離が先代より30mm広がり、開放感が大幅アップ。後席にはスライド&リクライニング機構が備わるので、レジャードライブの相棒として最適です(工藤さん)
丸いヘッドライトを中心とする初代の愛くるしいスタイルを継承しつつ、サイドとリアのウインドウを立てることで居住空間を拡大。新設計の自然吸気エンジンなどにより、走りの実力も大幅にアップしている。
<SPECIFICATIONS>
●試乗車:ハイブリッドXターボ(4WD)
●ボディサイズ:L3395×W1475×H1680mm
●車重:880kg
●駆動方式:4WD
●エンジン:658cc 直列3気筒 DOHC ターボ
●トランスミッション:CVT
●エンジン最高出力:64ps/6000rpm
●エンジン最大トルク:10.0kgf-m/3000rpm
●モーター最高出力:3.1ps
● モーター最大トルク:5.1kgf-m
▲インパネはメーター部、中央、助手席前を各々独立させた意匠にすることで武骨さを強調。グローブボックスのリッドは、開くとテーブルとして使える
▲4WD仕様には、雪道やアイスバーンにおいてスムーズな発進をサポートする“スノーモード”などが装備され、路面状況を選ばずに走れる
▲荷室フロアは、濡れたギアやドロの付いたアイテムも気軽に積み込める撥水仕様。フロア下には、ラゲッジアンダーボックスも用意している
4. タフな印象が強いルックスも新鮮
トヨタ
「RAV4」(265万6500円~)
先代モデルよりもホイールベースが延長されているため、室内は広々。特にリアシートは、フロントシートの下に乗員の足先を入れられるといった工夫により、大人でもラクに座れます(工藤さん)
武骨でワイルドなスタイルやハイブリッド仕様の設定などが評価され、2019-2020
日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた実力派。新世代プラットフォームの採用により
具現した、ハイレベルの走りも魅力的。
<SPECIFICATIONS>
●試乗車:ハイブリッドG
●ボディサイズ:L4600×W1855×H1685mm
●車重:1690kg
●駆動方式:4WD
●エンジン:2487cc 直列4気筒 DOHC+モーター
●トランスミッション:電気式無段変速機
●エンジン最高出力:178ps/5700rpm
●エンジン最大トルク:22.5kgf -m/3600~5200rpm
●モーター最高出力:120ps
●モーター最大トルク:20.6kgf-m
▲3タイプの4WD機構を用意。中でもガソリン車に設定される“トルクベクタリング”タイプは悪路での安定性に優れ、楽しくドライブできる
▲後席使用時でも奥行き1015㎜、最大580Lというゆとりの荷室を確保。キャンプを始めとする各種アクティビティのギアを余裕で飲み込む
▲水平基調のインパネなどで、スッキリとした前方視界を実現した室内。素材や座面形状が吟味されたシートは、ロングドライブでも疲れにくい
5. SUVらしいルックスでノーマルと差別化
ホンダ
「フィット クロスター」(193万8200円~)
新型フィットはグレード構成を一新。スタイルの違いでそれぞれの差別化を図っています。クロスオーバーSUVスタイルのクロスターは、街乗りからレジャーまでこなす時流に乗った仕様です(工藤さん)
新型「フィット」をベースに、専用の前後バンパーやホイールアーチプロテクターなどを装着することで、 SUVらしいルックスに。16インチのタイヤ&アルミホイールで、車高も最大25mmアップさせている。
<SPECIFICATIONS>
●試乗車:e:HEVクロスター(4WD)
●ボディサイズ:L4090×W1725×H1545mm
●車重:1280kg
●駆動方式:4WD
●エンジン:1496cc 直列4気筒 DOHC+モーター
●トランスミッション:電気式無段変速機
●エンジン最高出力:98ps/5600~6400rpm
●エンジン最大トルク:13.0kgf-m/4500~5000rpm
●モーター最高出力:109ps
●モーター最大トルク:25.8kgf-m
▲シート生地には、アウトドアレジャーなどにマッチした撥水ファブリックを採用。良好な視界や広い後席により、長距離ドライブもラクにこなせる
▲出来のいいシートと、路面からの衝撃による車体の揺れをしっかり抑えてくれるサスペンションなどにより、快適な乗り心地を実現している
▲最低地上高は、FF仕様が他グレードより25mm高い160mm、4WD仕様は同5mm高い155mm。わずかな差だが、雪道などでの安心感に差がつく
6. 剛性感ある走りはドイツ車の面目躍如
フォルクスワーゲン
「Tクロス」(299万9000円~)
299万9000円~というプライスタグは、一見、高価に感じます。でも、同クラスの日本車ではオプションとなるカーナビも標準装備ということを考えると、輸入車ながらコスパはかなり高いですね(工藤さん)
専用設計のボディを持つ同社製SUVとしては最もコンパクトで、その分、街中などでも運転しやすい。1Lの3気筒ターボエンジンは力強く、多くの荷物を積んで出掛けるレジャーシーンでも歯がゆさを感じない。
<SPECIFICATIONS>
●試乗車:TSIファースト・プラス
●ボディサイズ:L4115×W1760×H1580mm
●車重:1270kg
●駆動方式:FF
●エンジン:999cc 直列3気筒 DOHC ターボ
●トランスミッシ ョン:7AT(デュアルクラッチ式)
●最高出力:116ps/5000~5500rpm
●最大トルク:20.4kgf-m/2000~3500rpm
▲ベースとなった小型車「ポロ」との類似性を感じる運転席周り。ポロよりシートの座面が高く、前方視界に優れるため、運転時はより遠くまで見渡せる
▲荷室容量は、後席使用時で385Lを確保。さらに、リアシートの前後スライド機構を生かして、後席を一番前まで移動させれば、容量は455Lまで広がる
▲ドイツ車らしく、各部の剛性感が高い走行フィールが美点。大径タイヤなどによる、ゆとりある最低地上高で、雪道や悪路にも気兼ねなく入っていける
>> 【特集】コスパ最強モノ
※2020年3月6日発売「GoodsPress」4月号掲載記事をもとに構成しています
(構成・文・写真/アップ・ヴィレッジ)
- Original:https://www.goodspress.jp/features/287370/
- Source:&GP
- Author:&GP
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