さんがだけじゃない。焼きを極める編。

ここまでで、かなり広い範囲でさまざまに検証されたなめろう活動だが、毎回盛りだくさんすぎて胃袋と懐がもたなくなっては元も子もない。

ついつい熱量高く深掘りしたくなるのは大人の遊びのだいご味だが、先はまだまだ長いのだ。

というわけで、今回は少し細やかな活動内容を模索してみることにした。テーマは、より焼きを玄人的に極める、である。

まずは、材料を厳選

材料は三種類に絞る。

宮崎のアジ

三重のトリ貝

銚子産のキンキ

 

これを粒度だけでなく、焼き(さんが)の方法をちょっと工夫してみようというわけである。

前回粒度の比較を行ったが、焼きはお試しに留まっていた。単にアルミホイルに乗せて焼いただけだ。それでも美味しければいいという意見はあるだろう。しかし、この会は高度な大人の遊びである。「これくらいでいい」はないのだ。

小道具にもこだわる

というわけで、今回用意した秘密兵器はこれだ。

ハマグリの貝殻である。食洗機で綺麗に洗ってあるので、これはすでに材料ではなく立派な器だ。これにぞれぞれなめろうを乗せて贅沢にも炭火で焼こうというわけである。

少々スピードダウンしたからといって、情緒までケチらないのがこの会のセオリーだ。

こうやって、

こうのせて、

こう焼く。
赤々とおこっている炭がすでに目に美味しい。

というわけで、今回のなめろう

アジ(宮崎)

定番である。

ちなみに焼くと勝手に身がほぐれて細かくなってしまうので、作者の意図する粒度の差はあまりない。美味いだけである。

前回の学びをふと思い出し、そこにあったかまぼこにもそっと乗せてみた。米や餅もいいが、意外なほどあう。やはり同じ魚族由来だからか。

トリ貝(三重)

生もいいが、焼くと甘みが出て絶品。生で食せるトリ貝も希少なので捨てがたいが、これは迷うところだ。

キンキ(銚子)

高級魚キンキをなめろうにするという暴挙。もちろん美味い、美味い以外の言葉が見つからない。

せっかくの貝殻というツールがあるのだ。ここまた秘密兵器が登場。せいろである。

そう、焼きだけでなく蒸してみようというのだ。

焼きよりも上品な見た目が美しい。

さらに残ったキンキの頭は鍋にする。当然無駄にはしない。澄んだ出汁が絶品だった。

余すことなく楽しむのも大人のたしなみだ

炭がおこっているなら、日本酒の燗だってできてしまう。美酒を器に入れて湯に沈めると、すかさずおかんメーターがさし出される。

ちなみにここは普通の個人宅である。店舗ではない。

回を重ねて少し余裕が出て来たのか、色々なつまみも持ち込まれるようになった。なめろうは美味いが、味の変化はエンドレスへの大事なプロローグである。

余すことなく美味の機会を楽しむ、これも大人の嗜みだろう。

 

そして宴会に突入するのもいつものこと。これも大事な大人のお作法である。

今回の学び

貝に乗せて焼いたなめろうは美味い。
炭火で焼いたなめろうは美味い。
アルミホイルで焼くだけでもなめろうは美味い。
米でも餅でもかまぼこでもなめろうを乗せると美味い。
そのまま食べてももちろん美味い。
やはりなめろうは完全食。

執筆:小林聖


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