人気の軽自動車カテゴリーに、またもや注目モデルの登場です。2020年の東京オートサロンでコンセプトカーが公開されたダイハツのクロスオーバーSUV「タフト」が、6月に予定される発売に向け、先行予約の受付をスタートしました。
今回は、すでに公開されている写真とスペックなどから、新型タフトの魅力をチェックします。
■往年のクロカン4WD車と名前は同じでもコンセプトは一新
ダイハツのタフトと聞くと、1974〜1984年にかけて同社で生産・販売されていた、往年のクロカン4WD車の姿を思い浮かべる人もいるのでは?
その“初代”タフトは、当時の軽自動車規格より小さなボディに、ラダーフレームやリジッドサスペンションなどを備えた本格オフローダーとして誕生。軽量なボディを活かした力強い走りなどで人気を集めました。
以降、ボディサイズやエンジンバリエーションの拡大を経て、1980年には、協力関係にあるトヨタにも「ブリザード」の名前で“OEM(相手先ブランド)供給を開始。1984年に後継モデル「ラガー」へとバトンタッチするまで、13万台以上(ブリザードを含む)が生産されたといいます。
そんな初代の生産終了から35年以上の時を経て、ついに“2代目”タフトが登場します。とはいえ、今という時代に合わせ、新型は初代のヘビーデューティ志向から大幅に路線を変更。ダイハツによると「日常からレジャーシーンまで大活躍する、毎日を楽しくしてくれる相棒」となることを目指した、軽乗用車とSUVのクロスオーバーカーだといいます。
ちなみに新型タフトのネーミングは、開発コンセプトである“Tough & Almighty Fun Tool(タフ&オールマイティ ファン ツール)”の頭文字からとられたもの。趣味のアシとしてタフに使い倒せる性能と機能性を持ちながら、ショッピングなどのデイリーユースにも気軽に使える“ちょうどいいクルマ”といえそうです。
■新型タント譲りのエンジン&シャーシ
オートサロンに展示されていたコンセプトカーを参考にすると、新型タフトのボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1630mmと予想されます。これは、ライバルと目されるスズキの新型「ハスラー」と比べ、全長と全幅は同じで、全高が50mm低い数値となります。
新型タフトは、ダイハツにおける新世代のクルマづくり“DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)”を採用した第3弾とアナウンスされており、プラットフォームやエンジンといったメカニズムなどは、先行発売される「タント」とほぼ共通になると思われます。
ちなみにタントのエンジンは、658ccの直列3気筒DOHCで、自然吸気仕様(52馬力/6.1kgf-m)とそのターボ版(64馬力/10.2kgf-m)がラインナップされます。
組み合わされるトランスミッションは、いずれもCVT。新型タントから導入が始まった新機構“D-CVT”は、スプリットギヤを組み込むことで伝達効率が格段にアップしていることから、新型タフトも軽快な加速と低燃費を実現していると思われます。
また、DNGAを採用したシャーシは剛性が高く、サスペンションも安定感と乗り心地を両立していることは新型タントで実証済み。こうした点を踏まえると、新型タフトのフットワークにも期待が高まります。なお、オートサロンに展示されていたコンセプトカー2WD仕様でしたが、こちらもタントと同様、4WD仕様がラインナップされることは間違いありません。
■遊び心満点の充実装備も要チェック!
新型タフトのエクステリアは、バンパーの一部が黒い樹脂がむき出しとなり、バンパー下部はアンダーガードを想起させる形状となるなど、タフで力強いイメージを強調したデザインです。また、ディーラーオプションの「メッキパック」仕様(上の写真の右側)を始め、多彩なドレスアップパーツが用意されているようで、自分だけの1台を作り上げる楽しさも味わえそうです。
一方、趣味の道具としても活躍する新型タフトだけに、インテリアには遊び心を感じさせる装備が盛りだくさん。中でも目を惹くのは、ダイハツの軽自動車としては初の採用となる“スカイフィールトップ”です。これは、フロントシート上に設置された大きなガラスルーフで、なんと全グレードに標準装備。車内の開放感を格段にアップさせます。
また、室内のパッケージングに“バックパックスタイル”と名づけられた新発想のコンセプトを採り入れたことにも注目。フロントシート回りは、ワクワク感を表現したデザインと多彩な収納スペースが特徴の“クルースペース”、前席より後方は、自由自在にアレンジ可能なリアシートとラゲッジスペースにより日常からレジャーまで活躍する“フレキシブルスペース”といった具合に、アクティブに活動できる軽快さと高い積載性を両立しています。
特にラゲッジスペースは、使い勝手を高めるための、さまざまな工夫が。可動式の“フレキシブルボード”を活用すれば、積み込むギアの大きさや量に合わせてスペースを自在にアレンジできますし、荷室フロアと後席の背面パネルを樹脂製とすることで、濡れたり汚れたりした遊び道具も気兼ねなく積み込めるよう配慮しています。
気になるボディカラーは、新色となる3種のアースカラーを含む、全9種類をラインナップ。評価の高いDNGAを基盤に、個性的なルックスと、遊び心を感じさせる充実装備を盛り込んだ新型タフトは、今から発売開始が楽しみな1台です。
文/上村浩紀
上村浩紀|『&GP』『GoodsPress』の元編集長。雑誌やWebメディアのプロデュース、各種コンテンツの編集・執筆を担当。注目するテーマは、クルマやデジタルギアといったモノから、スポーツや教育現場の話題まで多岐に渡る。コンテンツ制作会社「アップ・ヴィレッジ」代表。
- Original:https://www.goodspress.jp/news/290970/
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