現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、不要不急の外出自粛が要請されるなか、ヒトの医療においては規制の一時的緩和などの対策が講じられ、オンライン相談・診療が広がっている。
しかし、動物の医療に関してはまだ本格的な議論に至っておらず、オンライン上で開業動物病院が飼い主とコミュニケーションを取る手段が少ないのが現状。
この状況をうけて株式会社みるペットは、動物や飼い主と動物病院をつなぐオンライン相談・診療システム「みるペット」をβ版にてリリース。2020年5月15日より無料提供予定だ。
早期の無料提供
緊急事態宣言発令下において、ペットの飼い主には「動物病院に行くべきか、様子を見るべきかの判断に困る」「慢性疾患の動物の薬が欲しいけど動物病院に行くのは心配」などの意見があるという。
一方、動物病院には来院前に来院の必要の有無を判断し、院内感染のリスクを減らしたいという思いもあるようだ。
こういった飼い主と動物病院のニーズを受け同社は、オンライン上でコミュニケーションを取る手段をいち早く利用できるようにと、同サービスをβ版という早期の段階で、そして無料で提供することにしたという。
利用にあたり、登録後に病院を検索・予約、ビデオ通話にて相談・診察、クレジットカードにて決済、薬などがあれば後日配送されるという流れだ。
ちなみに、同サービスは2019年に、公益財団法人東京都中小企業振興公社の事業可能性評価事業において「事業の可能性あり」と評価されている。
サービス利用の注意点
同サービスを利用するには、飼い主・動物病院ともに登録が必要となる。双方とも初期費用と月額費用は0円。通常は動物病院には事務手数料(売上の5%)、飼い主にはシステム利用料300円(利用1回につき)と、別途病院への相談料・診察料、薬などの配送がある場合は配送料の実費が必要となる。
このたび無料対象となるのは飼い主のシステム利用料300円のみ。無料期間は2020年5月15日~2020年7月31日の予定とのこと。なお、利用促進を目的とした無料提供を長期間持続すべく、クラウドファンディングの実施を予定しているという。
同サービス利用の注意事項として、ヒトの医療と違い、動物に関しては初診でのオンライン診療は認められていないということを留意してほしい。対面受診をしているかかりつけの獣医師であればオンライン診療が可能な場合もあるとのことで、担当医師との相談をおすすめしている。
同サービスが、飼い主・動物病院の双方のニーズを満たし、安全に動物の健康を守れることを証明できれば、今後の動物医療のあり方に変化をもたらすかもしれない。
- Original:https://techable.jp/archives/122406
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口
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