フープロで作ったお手軽「本格キーマカレー」を肴にビールで乾杯!【宅飲み家電 #05】

まずはビールで一杯。これは居酒屋に限ったことではありません。“宅飲み”でもやっぱりビールからスタートです。

さて、最初のビールの後は、真冬なら日本酒、焼酎と続くでしょうが、これからの季節は変わらずビールか、もしくはハイボールなどのシュワシュワ系に手が伸びます。

そこでシュワシュワのビールとハイボールに最高にあう家ごはんを作ってみました。
目標はスパイスの効いたカレー。

ただただ辛いカレーでは、せっかくのシュワシュワが痛みに変わってしまいます。ビールとハイボールには、辛みはそこそこ、でもスパイスの鮮烈な香りが脳を刺激するキーマカレーがベストマッチではないでしょうか。

カレールーを使わず、スパイスだけで本格カレー作り。なんだか難しそうに思えますが、よりおいしくビールを飲むための労力を惜しむつもりありません。

■用意するスパイスは5つだけ

カレー作りには複数のスパイスが必要です。市販カレー粉やカレー専門店には“数十種のスパイスを独自に調合”なんて言葉が踊っています。でも調べてみるとニンニク、ショウガ+4〜5種類がスタンダードで、これに好みのスパイスを加えているそうなんです。

よく使われているスパイスは、独特な香りを持つクミンやコリアンダー、カルダモン、シナモン、辛みをつけるチリペッパー、ブラックペッパー、色づけに用いるターメリックといったところ。香りの強いスパイスを2〜3種にチリペッパー、ターメリックがあればそれなりにスパイシーなカレーができるそう。

ということで、用意したのはこの5種類。上左よりカルダモン、クミンシード、一味唐辛子(チリペッパーの代用)、下左よりターメリック、コリアンダー。

ちょっとだけ使って余っていたスパイスの消費にも役立ちました。

クミンシード、コリアンダーは各大さじ1、カルダモン小さじ2、ターメリックとレッドペッパー小さじ1で混ぜておきました。

スパイス以外の食材は、挽肉300g、タマネギ1個、小さめトマト2個、ナス1本、ニンニク2片、ヨーグルトとピーナツバター各大さじ3。写真にはありませんが、塩、ショウガ(チューブ入り3cmくらい)、卵(温泉卵)も使いました。

 

■下ごしらえはフープロまかせ

キーマカレーと言えば汁気少なめで具が細かい! 料理好きは「みじん切りをしていると無心になれていい」と言いますが、たまにしか料理をしない人間にとって「みじん切り」はハードルが高い作業のひとつ。しかもタマネギなんて“苦行”でしかありません。

そんなみじん切り嫌いの味方といえるのがフードプロセッサー! 今回、ガシガシ活躍してくれたのは、テスコムのコンパクトフードプロセッサー「TK-2000」(実勢価格:5500円前後)。ロック解除ボタンが付いているのでうっかり誤作動の心配がなく、コンパクトなのでキッチンに出しっぱなしにしてもジャマじゃないところは助かります。

ということでまずは、タマネギのみじん切りから。冷蔵庫から取り出したタマネギをザクザクと2cm角くらいに切り分けます。この程度のカットであれば、冷え冷えのタマネギなら涙など出ません。

フードプロセッサーの規定量を守ってスイッチオン!

調子に乗ってスイッチを押し続けると、みじん切りではなくすりおろし状態になるので、様子を見ながら細切れにスイッチを押していきます。

数秒でこの通り! みじん切りの完成。

ただし、切りたてのタマネギの攻撃力は非常に高く、ふたを開けた瞬間に目に痛みが走ります。ボウルの上からのぞきこむと大変です。

次はおろしニンニク。おろし金でもできますが、「TK-2000」に付属のおろし用プレートを使えば指をケガすることもありません。

こちらもあっという間。今回はチューブ入りショウガが余っていたのでそれを使いましたが、ショウガをフードプロセッサーですりおろせば香り良くなりそう。

あとはトマトをザクザクと切って、ナスを輪切りにするだけ。包丁を使うのはこれくらいです。

■調理スタート

カレー=煮込むとおいしい、なんてイメージがありますが、長時間煮込むとせっかくのスパイスの香りが飛んでしまうことも。調べてみると、20分程度の煮込みでいいようです。ビール向きのスパイシーなキーマカレーであれば、煮込みすぎないようにしなければ。

熱した鍋に油を少し多め(大さじ2程度)に入れ、ニンニクとショウガ、そしてタマネギを加えます。弱火にして、タマネギがきつね色になるまでじっくり炒めて、タマネギの甘味やうまみを引き出します。ここをおろそかにはできません。

焦げ付きそうになったら、少量の水(20ccくらい)を加えて焦げをこそぎ落とすようにしてもOK。

タマネギがきつね色になったら挽肉を加え、全体の挽肉の色が変わるまで炒めます。

次にスパイスを加え、全体になじませます。粉っぽさを残さないようにするのが目的です。

トマト、ピーナッツバター、ヨーグルト、水100ml、塩ひとつまみを加えて煮込みます。

弱火のまま火にかけ、ひたひただったスープが煮詰まり、ほぼスープなしになったら完成です。最後に塩味が足りない場合は、塩で調味。醤油やナンプラーを垂らしても香ばしくなります。

 

■煮込みの間にトッピング作り

煮込み時間は少ないですが、タマネギを炒めるのに結構時間がかかります。カレーができる合間に、トッピングのナスと温泉卵、箸休めのサラダを作ります。

まずはトッピングの温泉卵を作ります。ヨーグルトメーカーに60度くらいの湯と温水にいれて温めた生卵をセット。65度・1〜2時間で温泉卵に。

ナスは煮込むとトロトロになるのでスキレットで軽く焼き、脇に添えることに。魚焼きグリルで焼くとオイル不要でいっそうヘルシーですね。

そして「TK-2000」でタマネギ、ニンニク、ニンジン、カシューナッツなど適当な食材をみじん切りに。ざく切りのトマトとひと口大に切ったサラダチキン、レンチンしたブロッコリーを加え、混ぜ合わせたサラダです。味付けはマスタードとはちみつ、レモン汁、オリーブオイル、塩、コショウで適当に作った甘酸っぱいドレッシングにしました。

それと、キーマカレーには普通の白いごはんでもいいのですが、せっかくターメリックがあるのでターメリックごはんにしました。

タマネギとニンニクのみじん切りをオリーブオイル(大さじ1くらい)で炒め、香りが出たら米1.5合を加えて炒めます。米にオリーブオイルがなじんだら、塩少々、ターメリック(小さじ1/2くらい)、水(米と同量)を加えていつも通りに炊きます。炊飯器の場合は、米とともにターメリック、塩、タマネギ、ニンニク、オイルを入れてスイッチオン。

 

■くーっ、ビールのシュワシュワにあう!

ここまでの作業で使った鍋は、カレー用鍋とナス用のスキレットの2つだけ。面倒な洗い物を少なくして、さらに安心して酔える(ここ大事)ようにワンプレートに盛り付けました。

できあがったキーマカレーは、いつも食べているカレー(カレールーの中辛程度)よりも辛みは少ないのですがインド料理店のような本格的な香りが部屋に漂い雰囲気満点。狙い通り、ビールのシュワシュワ加減がピッタリの味になりました。

右側の小皿には、以前グアムで購入した唐辛子ペースト「レッドママ カレープラス」。これを少量加えるとパンチが効きます。塩味も加わるのでよりビール向き。刺激に飽きたら、今度は温玉をからませてまったり甘いカレーに。こちらはハイボールが似合います。

常備つまみのカシューナッツと、ウイスキーで軽く煮込んだレーズンがあったので、カレーに混ぜてみたところ、また味に変化が生まれてビールに逆戻り。

フープロでガーッと刻んで煮込むだけ。タマネギのみじん切りをしたくないがために避けていたキーマカレーですが、思いのほか簡単で、ビールがよくあうそれっぽい味になりました。適当に乾き物を加えるだけで味変もできます。

そういえばみじん切りへの苦手意識がありすぎて、フープロをみじん切りとすりおろしにしか使っていませんが、挽肉作りもフープロの得意技のひとつ。ラムやマトンを使ったキーマカレーは、それはそれはビールが進む味になることでしょう。

一皿で無限にビールが飲める危険なキーマカレー。肉やスパイスを変えれば、連日の宅飲みビールに歯止めがきかなくなりそうです。

>> テスコム「フードプロセッサー TK2000」

 

>> 【宅飲み家電】

取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter


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