IBMのコンペが新型コロナの課題を解決! 参列仮想化アプリなど3つのソリューション

医療や経済、人々の生活における差し迫った課題に対してスピーディに手を打つにはハッカソンや開発コンペが有効。IBMが2018年に立ち上げた「Call for Codeグローバルチャレンジ」では、新型コロナに対抗するためのチャレンジを実施している。

IBMによるブログ記事には、応募があった中から上位3つのソリューションが取り上げられていて、いずれも参考になるものだ。

診療ボトルネックを解消するAIチャットボット

インドの開発者チームによって開発されたアプリ「Are You Well?」は、Watson Assistantを用いたチャットボットを搭載している。

ユーザーは気分や症状を入力し、AIが緊急性を三段階でランク付け。実際の診療に結び付ける。収集された情報は、地域の医療専門家に提供され、傾向の分析に役立てられるという。

AIチャットボットの導入で、第一対応窓口が込み合って機能しない、対応者によって判断軸がぶれる……といった課題の解決が予想され、収集された情報がそのまま分析に役立てらる点にも注目だ。

中小企業への経済的影響を軽減する意思決定支援システム

ブリティッシュコロンビア大学のチームによって開発されたシステム「CovidImpact」は、中小企業への新型コロナの経済的影響を軽減する。

IBM ILOG CPLEXを用いて現状におけるビジネスへのリスクレベルを予測。オーナーは意思決定に役立てられる。またWatson Tone Analyzerによる感情分析を利用し、それぞれのビジネスにとって有用なニュースや情報をキュレートしてくれるようだ。

さらには、ヒートマップによって行政の経済政策が行き届いていない地域を視覚化し、行政にリソースの振り分けを通知してくれる。中小企業のオーナーも行政も手一杯で、客観的データがなければ経営判断/政策は偏ったものに。オーナーがなかなか声を上げれなかったり、上げても届かなかったりという課題も解決できそうだ。

人混みを解消するQRコード生成アプリ

ロサンゼルスの開発者によって開発されたアプリ「Safe Qeue」は、スーパーや薬局などの参列を仮想化する。

アプリでは、店舗から一定距離に入ると仮想参列が可能に。周辺で待機して順番が来ると店員にQRコードを示して証明するやり方だ。

アプリのホスティングにはPaaSのIBM Cloud Foundry、位置情報のトラッキングにはHERE Technologies、データベースにはIBM Cloudantを用いている。

シンプルな仕組みで人混みを解消するシステムは、広範な社会実装が望まれる。

参照元:Three promising Call for Code solutions to help in the fight against COVID-19/ IBM Blog


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