<不自由を自由にする野営スタイル>
「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。
さてバーナー(ストーブ)には、ガス、ガソリン、灯油、アルコールなどさまざま燃料のタイプがあります。
が、皆さん。「結局、シングルバーナーって何が一番いいの?」って思っていませんか?
今回は燃料の違いによるメリットやデメリット、初めて買うときはどれを選ベばいいのか、災害時の備えも考えるのであれば最も適しているバーナーはどれかなど、今回は所有するシングルバーナーを比較してみて、それぞれの疑問にお応えしちゃおうと思います。
まずは前提条件を整理しましょう。今回はシングルバーナーの比較なので、あくまで、ファミリーキャンパーや大勢に料理を振る舞う場合は想定していません。
バックパッカーやソロキャンパー、バイクツーリスト、自転車キャンパーを始めようとしている方、災害時を想定して装備を揃えたい方が対象となります。
■所有するバーナーとそれぞれのメリットデメリット
私が所有するバーナーの中で、使ってみた結果、良いと思ったバーナーを燃料の違いで3つご紹介します。
1.PRIMUS「ウルトラバーナー P-153」
火力:3600kcal/h
燃焼時間:55分(標準のP−250タイプガス使用時)
収納サイズ:7.5×8.8×3.0cm
重量:116g
以上が基本的なスペックで、下記は私見とリサーチ内容です。
操作性:◎
強風時の使用:○
調理のしやすさ:△
コストパフォーマンス:200〜300円/1回のキャンプでの使用(3回食事した場合)燃料補給のしやすさ:専門店もしくはホームセンターでしかほぼ入手不可能
寒冷地での使用:マイナス10℃まで(標準のP-250タイプガス使用時)
【メリット】
・軽い
・コンパクト
・点火・消化が楽
・さまざまな条件での使用が可能
メリットの「点火・消化が楽」という点ですが、これは本当に簡単です。ワンタッチで点火ができて、しかも速攻で着火します。さらに「つまみ」で火力調整ができ、消火も簡単。
この軽さで、この手軽さですから、不滅の品番な理由が分かります!
私も冬山でない登山の場合はこれを必ず携帯していきます。強風時などでも使用しましたが、ちゃんと使えましたし、疲れている時にこの手軽さはうれしいものです。
登山やソロキャンプの時に、かさ張らない、というのも最大の魅力ですね。丸型クッカーにガスとバーナーを入れて携帯すれば、パックパックの容積をとりません。しかも、軽い! ガスバーナー最大の魅力はここだと思います!! 1gでも減らしたい登山や、移動を伴うキャンパーには重要な要素ですよね。
写真のように、OD缶ごとクッカーに入れることが可能です。
【デメリット】
・燃料が手に入りにくい
・燃料缶がかさ張り、処理が面倒
・安定感が悪い
デメリットは、本体というよりも燃料であるガスのOD缶にあります。1個ならばそんなにかさ張らないのですが、ここに盲点があります。ガス缶は使った量が正確にはわからないので、1回のキャンプで使い切れば良いのですが、そんなには使いません。大体半分くらいです。そうすると、必ず、次回は缶を2個持っていかないといけないわけです。
さらに、使い切った缶を捨てるのが面倒なのですね。結果、かさ張るのです。重量と容積を気にして毎回新品を持っていくと、微妙な残量のガス缶が溜まっていくということもあります。
安定性が悪いのも欠点です。ガスに高さがある分、クッカーを置く場所が必然的に高くなりバランスを崩しやすいのです。私は一度パスタを茹でている時に、倒したことあります。
最後に一番の欠点を挙げると、燃料が手に入りにくいということですね。通常時なら良いのですが、災害時を想定すると、ここは致命的かと思います。
このようにどうしても頭でっかちになってバランスが悪くなります(OD缶に付ける五徳が販売はされているが、それをつけてもバランスがいいとはいえない)。
2.エバニュー「チタン アルコールストーブ」
火力:不明
燃焼時間:約20分(無風時)
収納サイズ:直径7.1×4.2cm
重量:34g
以上が基本的なスペックで、下記は私見とリサーチ内容です。
操作性:◎
強風時の使用:×
調理のしやすさ:△
1回のキャンプでかかる燃料費:約125円(約250ml使用。3回食事した場合)
燃料補給のしやすさ:薬局で入手可能
寒冷地の使用:マイナス10℃以下可能
【メリット】
・軽い
・コンパクト
・丈夫(まず壊れることはない)
・静か
・気温に左右されない
・自然に近い火を楽しめる
軽量コンパクトで丈夫であるということが、アルコールスト−ブの最大の魅力といえます。燃料もガスのOD缶や、ガソリンの携行缶と比較しても、自由にサイズを選ぶ事ができ、必要最低限の携行が可能。あとは、よっぽどの衝撃がないと壊れない。という点も、災害時などを想定する場合は重宝するでしょうね。
【デメリット】
・火力が弱い
・風に弱い
・容量が決まっている
・単体では使えない
・火が付いているかどうかわからない時がある
最大の弱点はなんといっても、火力が弱いこと。私が使っているモデルは、アルコールストーブの中では火力が強い方ですが、それでも、以前、2人前のラーメン用のお湯を湧かす際にとても手間取りました。その時は風も強かったのですが、アルコールストーブは全体的に風にも非常に弱いです。
注意しなければならない点としては、単体では使えない点です。五徳は必ず必要で、風避けとして、風防も必要になります。したがって、本体は軽量コンパクトなのですが、五徳や風防分の重量や体積はプラスして考える必要があることを留意しなければいけません。
この様に、風防や五徳または兼用で使える何かが必要となります。
3.SOTO「MUKAストーブ SOD-371」
火力:4000kal/h
燃焼時間:約1時間(最大火力時。2500kal/h時は1.5時間)
収納サイズ:8×6.5×48cm(本体のみ)
重量:333g(本体のみ)
以上が基本的なスペックで、下記は私見とリサーチ内容です。
操作性:○
強風時の使用:○
調理のしやすさ:◎
1回のキャンプでかかる燃料費:約30円(約240ml使用。3回食事した場合。レギュラーガソリン120円/1L)
燃料補給のしやすさ:全国ガソリンスタンドで入手可能(専用の携行缶が必要)
寒冷地の使用:マイナス10℃以下可能
【メリット】
・高火力
・燃料補給が容易
・気温に左右されない
・燃料ボトルへの注ぎ足し補給が可能
・ホワイトガソリンとレギュラーガソリンを使用できる
私が選ぶ2大メリットは、高火力であることと、燃料補給が容易であること。
人によっては、4000kcal/hは不要なスペックという方もいますが、確かに調理だけを考えると、もっと低い火力でも十分かもしれません。しかし、緊急時やサバイバル状況を想定すると、火力は強いに越したことはありません。暖を取ったり、空間全体を温めたり、お湯を早く沸かしたりすることも可能ですから。
また、災害時や、ツーリングなどの長期間のキャンプ旅を考えると、燃料(レギュラーガソリン)補給がどこでも可能ということのは、魅力ではないでしょうか? 海外のバックパッカーはガソリンストーブ愛用者が多いようです。日本のように、CB(カセットガスボンベ)缶がコンビニで販売している国ばかりではありませんからね。
また、燃料の携行缶はかさばるのですが、ガス缶と比べるとメリットがあります。それは、ガス缶と違って、注ぎ足しての燃料補給が可能なこと。注ぎ足せるので、中身が減っても携行缶の大きさ以上にはならない点です。
以前、私が北海道へキャンプの旅に行ったのですが、移動を繰り返すため、焚き火でない熱源を考えた時、ガスを諦めたことがありました。それは、ガス缶は飛行機での持ち込みができない上に、私が持っているものはOD缶仕様のバーナーだったので、現地での調達が難しかったためです。たとえ入手しやすいCB缶であっても、帰りに破棄しなければならい訳ですね。しかし、ガソリン燃料であれば、中身を空にすれば飛行機に乗れるんです。その辺も良い点だと思います。
【デメリット】
・やや重い
・着火・消化が少し面倒
・かさ張る
・扱いが少し難しい
ほかの燃料のバーナーと比較すると、確かに重いですし、かさ張ります。特に、使用する際に使うボトルとは別に、専用の携行缶が必要な点ですね。レギュラーガソリンを使用できるモデルならば、車やバイクから抜くという方法もありますが。
着火・消化が面倒そして扱いが少し難しいと、前述しましたが、着火に要する時間は1分ほど。しかもMUKAストーブは、ほかのガソリンストーブと比べると、プレヒートの必要がない(一般的なガソリンストーブは、ポンピング→プレヒート→着火)ので非常に簡単ですし、十分許容範囲だと思います。扱いも、慣れれば本当に簡単です。私も1回動画で確認しただけで着火できました!
■災害時にも役立つシングルバーナーは?
ここまで、私が所有して使用しているガス、アルコール、ガソリンの各バーナーを紹介してきましたが、結論からいうと、災害時やソロキャンプ、ツーリングキャンパーに最も適したバーナーはガソリンバーナーであると考えます。
理由は、まずはコスパがダントツで良い点。前述したようにうまい棒3本分(約30円)で1回のキャンプの燃料が賄えちゃいます!! また、寒冷地にも強い点、これも良い点ですね。
人間は空気を失うと3分で死にます。次に低体温症を引き起こすと30分で死にます。自然現象で死ぬ場合に最も早いのはこの2つ。低体温症状を引き起こす可能性のある場所で的確に熱源を確保できることは、非常に大事なことではないでしょうか? 高火力というのも、低体温症予防には重要ですね。
最後に、最も重要だと考えるポイントは「燃料補給の容易さ」です。私がガソリンストーブを購入した理由は、キャンプで旅をする場合、都市型災害のための防災用品として。 この2つでした。仮に都市型災害が起きてしまった場合、移動を余儀なくされる事が想定できますよね? もしかしたら、各地を点々としなければなりません。その場合は、燃料補給がいかに容易にできるか、これは非常に重要な要素だと思います。レギュラーガソリンならば、全国どこでも補給ができるため、簡単に熱源を確保できます。
さらにMUKAストーブの良いところは、赤ガス(レギュラーガソリン)以外に、ホワイトガソリンも使えるところです。ただし、ホワイトガソリンは高価(約800円/1L)な上に、購入は原則、アウトドア専門店や、ホームセンターなどですることになります。
ガスストーブで燃料補給のしやすいものですと、CB缶が考えられます。CB缶は、コンビニなどでも手軽に手に入るのですが、先に述べたようにOD缶と同様に、ガス缶を複数持たなければならない事が発生すること、また、CB缶の破棄が面倒なことが問題点としてあげられます。
そして重さの部分でMUKAストーブと比較すると、CB缶のバーナーだと例えばSOTOの人気レギュラーストーブ「ST-310」は350g。MUKAストーブは本体330g+ガソリンフルで480g+携帯缶178g合計988gでその差は288gとなります。もちろん、軽い方が良いですが、このくらい差であれば、ガソリンストーブでもいいかなっていう判断となります。
以上、コスパが良い点、寒冷地に強い点、火力が強い点、燃料補給がしやすい点から、災害時でも役立つ、キャンプ用シングルバーナーはガソリンストーブが一番良い。
ということでした。皆さんもキャンプのみならず、災害時を想定したキャンプギアを考えてみてはいかがでしょうか??
>> 連載
(文・写真/RYU)
「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/295654/
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