ぶっちゃけ早く海外旅行に行きたい! 上海ニューリッチ層たちの優雅なオンライン学習&ステイホーム事情


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新型コロナウイルスの影響で3月から全国的に続く休校。一部の私立学校ではオンライン授業がスタートし、LINEも在宅学習をサポートするシステムを公開しているが、まだまだ全国レベルとは程遠い状況だったりする。一方、秒でオンライン授業を普及させてしまったが中国だ。その現状をライターの直井裕太がレポートするので読むヨロシ!

オンライン授業をボイコットした
小学生たちの★ひとつ乱がいきなり勃発

中国の上海市では3月2日より公立・私立問わず小中高でオンライン授業がスタートしているが、しかし!? 実はローンチ直前の2月末に大事件が発生していたのだ。

美しすぎ&先端過ぎな夜景の裏でITリテラシーの高い小学生たちが事件を起こす。

「新型コロナで学校が休みになったのに家でまで勉強したくないヨ!!」

そう考えた中国全土の小中学生たちが、一斉にオンライン授業用のアプリの配信レビューに低評価【★ひとつ】を連発。中国のアプリ配信では多くの場合、低評価が一定数以上記録されると該当アプリは強制リジェクトとなる。それを狙って「ゲームできないヨ!」「とっととリジェクトされる、ヨロシ!!」というコメントと共に小中学生が一気に低評価を連打する事態となったのだ。

そんなITリテラシーが高い中国の小中学生から総攻撃を受けたアプリはEC最大手のアリババが開発した「釘釘」(ティンティン)。もともとはアリババの社内用テレワークアプリとして開発され、新型コロナウイルスのステイホームで一般企業から学校まで一気に利用されるようになった。

この小中学生たちの発起にアリババ側は即対応。人気動画共有サイトのblibili動画へ

「みなさんの教育ことを思って作ったアプリだから、これ以上いじめないでー」

と自虐動画を投稿し、低評価騒動は無事に収束し、オンライン授業は現在も続けられている。

アリババが小中学生に向けて「みんなの教育のためのアプリだから、低評価やめてーー」とアピールした動画。中国の人気動画共有サイト、bilibili動画で配信された。一方、bilibili動画はオンライン授業中を行なう生徒のファッションコンテストや、おもしろ動画募集など生徒を飽きさせないオンラインイベントが満載。

では、中国ではオンライン授業がどのように受け入れられているのか? ひょんなことから中華の超級リッチ勢と仲良くなり、空前のマスク不足でも上海から日本製のマスクが送られてくる日本人おじさんの筆者が上海市に暮らす2家族を取材してみた。まずは、私立の中学校に通う蒋开心ちゃん(ショウ・カイシン 12歳)から!

开心 授業は朝の9時に始まって終了は17時です。30分の授業が7時限、授業の間に20分の休憩があって、お昼休みは2時間。すべて私が通ってる学校の先生が授業をしてくれます。先生やクラスメイトからは私の映像は見えないのでパジャマ姿でも授業を受けられます(笑)。パソコンの画面には先生と黒板が表示されて、わからない箇所があったら音声かチャットで質問できます。チャットで先生に質問することが多いから、画面が大きいパソコンのほう授業をやりやすいです。

上海の私立中学へ通う开心ちゃん。オンライン授業ではパソコンを使用する。「授業中に友達と話せないのが寂しい」という思春期ならではの悩みもあり。

一方、小学生はどうだろか? 同じく上海市の私立小学校に通う怡天くん(イテン 7歳)は言う。

怡天 授業は一回の授業は20分で朝の9時から16時まで。僕の学校の先生たちが授業をしてくれます。僕はわからないところがあったら、すぐにお父さんに見せられるからiPadを使ってます。

iPadを使用してオンライン授業を行なう怡天くん(イテン 7歳)と、姉の怡诺ちゃん (イノ 12歳)。

大人は立ち合い必須
オンライン授業は親子とも実はストレス

中国のオンライン授業では低学年生はiPad、高学年になるとディスプレイが大きく文字入力がしやすいという理由からパソコンが多いという。また、テレワーク特需で一部の都市ではパソコンの品切れが続いている。では、親たちはオンライン授業をどう考えているのだろうか。怡天くんの父親、天天父さんは、こう語る。

ステイホームで寛ぐ怡天くんファミリー。どうしてもゲームや各種SNSなどデジタルな事柄が強調されがちな中国だが、裕福層は紙の読書やアナログな玩具も大切な趣味として楽しんでいる。

天天父 オンライン学習は授業を全部録画しているから、わからないところを繰り返して見れるのが良いんだよ。あと、私立だと毎日の送り迎えがあるんだけど、これがなくなったのは本当に楽! 子供も朝の登校準備がないから、その辺は時間に余裕ができて良かったと思うね。

中国の学校にも公立や私立がある。オンライン授業において格差はあるのだろうか?

天天父 教育に関して地域や収入、公立私立での格差はないって。もともと教科書もすべてデジタル化され、誰でもオンライン授業を受けることができるし。でも、私立だと子供が自分専用のパソコンやスマホを持つのが禁止で、一日にネットを視聴できる時間とかも入学するとき契約書にサインするんだよ。

授業は黒板に見立てたパワポファイルを表示して進行。すべて録画され、復習もばっちり行える。

そう考えるとローンチ直前の「釘釘」への低評価連発騒動は公立勢の関与が怪しい……ケド、中華児童のITリテラシーは美しい! 時を戻そう。ところでオンライン授業が普及して親や子供たちがストレスに感じることは?

开心 授業中に友達とお喋りできないこと(笑)。授業内容は学校に通っているときと変わらないと思うけど、やっぱり授業中に友達とちょっとふざけたりお喋りできないのが寂しいです。

开心母 子供がリモートで勉強しているときは、大人が立ち会っていなければいけないルールになっています。それが、子供にも親にとってもストレスになるとは思いますね。

上海に暮らすセレブ家族たちは夫婦で楽しめるスポーツカー、そして家族の移動で使う高級SUVを所有するケースが多い。車選びはブランドと安全性重視。金額はスルーするのが基本。

富裕層の教育熱は過剰!
年間600万円以上注ぎ込むのも常識!?

メリットもありつつ、微妙にストレスもあるオンライン授業。上海式のステイホームでのストレス解消方法は?

天天父 映画やドラマを家族で見ることが増えたけど、やっぱり料理だね。家族で料理作ってみんなで食べる。これが一番ヨ!

近年はハイセンスやTCLなど中華メーカーのテレビが日本でも人気だが、中国の裕福層はソニーやパナソニックなど日本メーカーの製品を好んで購入する。最新ガジェット、車などは【ブランド→デザイン→スペック→最後が価格】というのがモノ選びの基準だ。なので、裕福層にはスマホはiPhoneシリーズが人気。しかし、「写真好き」というユーザーは迷わずファーウェイのフラッグシップを選ぶ。そんな中、調理家電は話が別だ。

天天父 大きな中華鍋さえあれば十分ヨ!

ステイホーム中はオンライン授業以外にも自宅で琴を練習したり、家族でお茶を楽しんだりと意外と充実生活の开心ちゃんファミリー。

料理に関してこだわるのは調理家電ではなく食材。日本でのコロナ禍の中国報道ではアプリで完結する出前や各種決済が紹介されがちだが、この状況で急激にシェアを伸ばしたのが食材の宅配アプリ「叮咚买菜(ティンドンマイツァイ)」だ。市場やスーパーはもちろん、それこそ裕福層が利用することの多い外資系デパートからも30分以内に注文した食材を配達してくれる。今回、取材した上海家族はいずれもコスパ度外視で高級食材を発注しまくり、コロナ前より食費が上昇しているという。ところでタワマンを数軒所持し、高級輸入車を乗り回す上海リッチ勢が最もお金を使うところとは?

开心母 服とかなんでもいいし、車も安全ならそれで十分。やはり子供の教育費ですね! 私立の小中高に行って、その後は海外留学もありますから!

ちなみに上海で私立学校に入学し、さらに塾へも通うと日本円にして年間200万円ほど。海外留学なら人気のアメリカ、イギリス、スイスの場合、学費だけで年間600万円以上かかるという。超巨大なビジネスとなっている中国の教育市場。実はオンライン授業を行なう教師たちもコロナ禍でそのチャンスを見逃さなかった。怡天くんの姉、中学生の怡诺ちゃん (イノ 12歳)が語る。

怡诺 「はやくごはん食べなさい!」と、オンライン授業を配信する先生の部屋に奥さんが入ってきて怒られたり、美顔や変顔アプリを使っているおもしろい先生たちがネットで人気になってるよ。

オンライン授業中の怡诺ちゃん。iPadだけでなくノートも併用して授業を行なう。もちろん宿題の提出もある。

変顔&美顔機能を活用しておもしろ授業を展開する先生たち。生徒&ネット受けは抜群(微博より)!

黒板、もしくはメモを生徒側のディスプレイに表示させるために試行錯誤中の先生たち。スマートな先生はいち早くパワポを導入してこの問題を解決(微博より)。

「釘釘」はもともとテレワーク用のアプリであり、「寝癖状態で会議させるヨ!」というユーザーからの要望に答え美顔機能や勢い余って変顔機能まで実装してしまったのだ。オンライン授業を配信する教師にとってはここでバズることが、より高給となる塾講師や私立学校への転職へつながり、積極的にネタを仕込む大喜利状態となっている。もちろん、パワポのファイルを効率よく挿入して、スマートな授業をアピールする正統派の先生も多くいる。コロナ禍だからこそチャンスは見逃さない中華スタイルだ。

一方、上海人たちのアフターコロナのプランは?

天天父 まー、海外旅行だよね。食事とかエンタメはさ、在宅でもなんとかなるけど。旅行はオンラインとかバーチャルとかダメ。コロナ前は子供の学校が休みの時はいつも海外旅行だったから、それができるようになれば普通の生活に戻ったなと実感できるんじゃないかな。豪華客船クルーズとかいいよな。

普通の生活のハードルが高すぎだヨ!

長期休暇は海外旅行が定番だった上海ファミリーたち。はやく、この日常が戻ることを願います。

緊張感高すぎの上海の正月。これは通常モード。
ターミナル駅である杭州東駅。春節直前なだけに3密どころか特密状態! 人人人だ。

 

Text by 直井裕太


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