「SIGGRAPH 2020」で発表の技術論文、高次元オブジェクトが出現するとどう見える!?

世界最大のCGとインタラクティブ技術の祭典「SIGGRAPH 2020」が7月に開催予定だが、技術論文プログラムに、高次元オブジェクトの表現手法に関するものが発表される。

私たちの住む3次元空間に合わせてn次元のオブジェクトを表すとどうなるか、想像するのはちょっとむつかしいが概念実証的にシミュレーションが可能。また、オブジェクト同士の相互作用も計算によって表すことができるとのことで、動画などでもその様子が確認できる。

4次元オブジェクトが体験できるシミュレーター

この技術論文は、4Dパズルの「Miegakure」およびインタラクティブなシミュレーター「4D Toys」の開発者、Marc ten Bosch氏が、プロダクトの技術的基盤を示したもの。プロダクトでは、4次元オブジェクトを我々の理解できる3次元中に出現させているが、論文によれば次元は拡張可能だという。

「4D Toys」の紹介動画中のさまざまな多面体は、時間とともにスルスルとカタチが変わっていき、観ていると不思議な気分になる。

このなかで、高次元オブジェクトを表す原理について、2次元の住人を使った簡単な説明がある。彼らからすると3次元オブジェクトはその断面しか認識できない。つまり平面を球が通過するとき、大きさが変化していく円として表れるとのこと。

n次元オブジェクト同士の相互作用を計算

3次元においては、4次元オブジェクトはその空間に限定されないため、突如として消えてしまう可能性もある。動画を観るだけでは4次元オブジェクトの変化の規則性はよくわからないが、n次元オブジェクト同士の相互作用を計算することで、その挙動を表せるのだという。

Marc ten Bosch氏のブログ記事によれば、今回発表の論文は2012年までに執筆されたものに加筆修正したものとのこと。また、SIGGRAPHで発表された歴代の技術論文のなかでもかなり「異色」との指摘を認めている。

台数幾何学の理論については理解できなくても、4次元オブジェクトの動きは観ていて新鮮だろう。

参照元:N-Dimensional Rigid Body Dynamics/ Marc ten Bosch


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