世界の動きが止まっているように思われる中でも、新しいスタートアップは変わらずに出現している。米国時間5月22日、13の企業がニューヨークを拠点とするEntrepreneurs Roundtable Accelerator(ERA)を卒業する。卒業にあたって、13社はERAからそれぞれ10万ドル(約1080万円)の資金援助を受ける。
彼らはERAの18期生となる。ERAは設立以来200以上の企業を世に送り出し、総額で5億ドル(約538億円)以上を調達している。
それでは卒業生たちをご紹介しよう。
Artists on Goはフリーランスの美容師とサロンオーナーを繋ぐマーケットプレイスプラットフォームだ。美容師は1時間20ドル(約2150円)でサロンオーナーからスペースを借り、売上はサロンオーナーと分けるのではなく自分のものとなる。サロンオーナーは予約が空いているときにスペースを提供することで利益を得る。
Coinapolyは、家を借りながらその家の所有者になれるよう支援する資産管理プラットフォームだ。借主には長期的にその家を部分的に購入できるようにし、不動産投資家にはより良いリスク調整後収益を提供する。Coinapolyは管理対象の物件に対し手数料を請求する仕組みだ。
FieldClixは遠隔建設プロジェクト向けのSaaSプラットフォームで、無線、ソーラー、ブロードバンド通信の建設プロジェクトに特化している。通信会社が5Gの展開を急ぐ中、作業員はFieldClixを使用して、プロジェクト計画や現場のリソース管理、原価管理などを協力して行えるようになる。現在は30社が同社プラットフォームを利用しており、ライセンスごとに段階的なサブスクリプション料金を毎月請求している。
Hailifyは、配車サービスドライバーの空き時間を利用するB2Bプラットフォームだ。ドライバーが次の客を待つ間を活かして収入が得られるよう、宅配の仕事を提供する。Hailifyはオンデマンド配車サービスを運営する企業に料金を請求し、プラットフォームから発注された宅配ごとに、手数料を差し引いた料金をドライバーに支払う。
Hazelは、女性の尿漏れに対応する、フィット性と機能性が高く見た目にも気を配ったまったく新しいタイプの大人用紙おむつを製造している。新しい素材と新しい技術を使用し、見た目も履き心地も本当の下着と変わらない使い捨て商品を提供するこのD2Cビジネスは、2020年秋のローンチを予定している。
Mouth Offは口臭を防ぐことを目的とした溶けるタイプのガムだ。口臭を別のにおいでごまかすのではなく、口臭の元になる口腔内の分子に作用する。Mouth Offは植物性で、糖分や人工的な原材料は使用していない。2020年秋にローンチが予定される同社は、D2Cサブスクリプションと小売りオプションを提供する。
Nayyaは、雇用主が従業員に最適な健康保険を見つけられるように支援する企業だ。データを使って透明性を高め、費用削減に関する情報や最寄りのプロバイダーネットワークに関する情報を提供する。従業員はNayyaのCompanion(コンパニオン)を通じてプランに登録し、1年を通じて補償内容や医師の検索、追加補償オプションの確認などが行える。またNayyaでは給与管理の統合サービスも行っている。
企業の従業員にとっても雇用主にとっても育児休暇がますます重要視されている中で、Parentoは、従業員向けに、保険に基づいた有給育児休暇のプラットフォームを提供する。従業員が16週間まで休めるように予想価格設定を導入し、新米パパママ向けのコーチングや生活の変化におけるサポートを提供する。同社は、顧客の従業員の給与と既存の有給育児休暇ポリシーに基づいて変動する価格設定のB2Bモデルを採用している。
RillaVoiceは食料品店やファストフードチェーン、病院、実店舗を持つ企業に、顧客との会話を記録し、分析できる機会を提供する。会話は小型マイクと機械学習技術により分析され、匿名かつ安全そしてコンプライアンスに準拠した方法で、カスタマーエクスペリエンスや会話の内容などの理解を深めることができる。サービスは1ライセンスあたり月額50ドル(約5380円)から350ドル(約3万7660円)で提供される。
Salusionは消費者とその雇用主のためにHSA(医療用貯蓄口座)の税優遇を最大限にすることを重視したSaaS企業だ。同社はHSAのプロセスを改善することで、ユーザーには「その都度使えるHSA」を提供し、HSA口座管理費として雇用主に対して従業員あたりの手数料を毎月請求する。
Spotterは長距離トラック業界をターゲットにしたソフトウェア企業だ。歩合やスケジュール、燃料コストなどの入力条件に基づき、トラックと運転手に最適な積荷を割り当てることができるプラットフォームを提供する。また運転手に荷積みと荷降ろしの指示も伝えることができる。同社はトラック1台ごとのサブスクリプション料金を運送業者に請求する。
Topは、ブランド向けのマルチチャネルエンゲージメントプラットフォームだ。ブランドはCookieを使用せずに、プライバシー保護に準拠するデータを収集できるようになる。Topを使用すると、投票やゲーム、コンテストなどのインタラクティブコンテンツを作成し、そのデータを収集して顧客プロファイルを作成できるようになる。顧客プロファイルには買い物の傾向や購入意思などのデータが含まれる。同社ではデータとエンゲージメントプラットフォームの使用料をクライアントに毎月請求する。
Undockは、会議のスケジュールと調整に重点を置いたSaaSビジネスだ。予測機械学習モデルによって、空き時間、優先事項、行動を比較し、参加者に最適な会議時間を見つける。またUndockプラットフォームは、あらゆる会議プラットフォームに対応する共同アジェンダとメモ機能を提供する。Undockはフリーミアムモデルを導入している。
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Category:VC / エンジェル
Tag:アクセラレータープログラム ERA
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(翻訳:Dragonfly)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/05/23/2020-05-13-meet-the-13-startups-graduating-out-of-entrepreneurs-roundtable-accelerator/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Jordan Crook
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