SpaceXがStarlink衛星60基を追加打上げ、うち1基は「サンバイザー」を搭載

先週末SpaceX は史上最も重要で記念すべき打上げを実施し、NASAの宇宙飛行士をISSへ運んだ。そして米国時間6月3日に予定されているFalcon 9ロケットの打上げは、比較すれば目立たないが、同社の未来にとってやはり重要な出来事だ。これはSpaceXのStarlink(スターリンク)打上げの最新ミッションであり、小さな衛星を大量に打上げて、世界中の利用者に低価格高帯域幅のインターネットアクセスを提供しようとしている。

Starlinkミッションの打ち上げ予定時刻は9:25 PM EDT(日本時間6月4日午前10:25)で、60基の通信衛星を宇宙に送り込む。同衛星ネットワークは地球低軌道で420基をすでに運用している。最終目標は最大4万基の小型衛星を打上げ、広く利用できる接続サービスで地球を覆うことだ。ネットワークは全地球に広まる衛星間で接続を手渡しすることで頑強な接続環境を提供する。

この打上げは、NASAの宇宙飛行士、Bob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーレー)氏を国際宇宙ステーション(ISS)に送ったSpaceXのDemo-2(デモ2)有人ミッションの前の週に予定されていたが、スケジュールの重複などのために有人飛行の後に変更された。これは2020年にSpaceXがStarlink衛星60基を飛ばす5回めの打上げになる。SpaceXは今年中に最大20回のStarlink打上げを実施できることを望んでおり、そうなればカナダと米国で今年中にベータテストを開始し、全世界では2021年か2022年に展開する

打上げはフロリダ州ケープカナベラル空軍基地で行われ、過去4回のミッションをこなしたFalcon 9第一段ロケットを使用する。SpaceXは再度のこの打上げロケットを誘導着陸によって回収し、さらに衛星貨物の保護に使われた筐体も、回収船 “Ms. Tree”および “Ms. Chief” を使って捕獲する予定だ。

この飛行で注目すべき大きな特徴は、Starlink衛星群が地上からの天体観測に与える影響を緩和するとSpaceXが期待する新技術をテストすることだ。科学者は、Starlinkの明るさが深宇宙の天体や現象のデータを集める高感度の光学機器を妨害すると苦情を呈してきた。それに対応すべくSpaceXは、Starlink衛星が打上げ後に展開する「バイザー」システムを作り、衛星が太陽光を反射するのを防ごうとしている。

SpaceXは今回打ち上げる60基のうち1つの衛星にこのバイザーシステムを搭載し、今後のStarlink衛星の標準装備とするかどうかをテストする。結果によっては、今後打上げられるStarlink衛星すべての恒久的設備になる可能性がある。

今日の打上げが延期された場合(現在打上げ実施の可能性は60%)は、翌6月4日 9:03 PM EDT(日本時間6月5日午前10時03分)が予備日となっている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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