ニューラルネットワークによる株価予測は昔からさかんに行われていて、1990年には東京証券取引所の株価指数、TOPIXを予測するためのシステムが提案されている。
また、機械学習によるアプローチも活発で、分類や回帰をベースにした予測システムが数多く投入されている。
こうしたなか、イタリアのカリアリ大学らの研究チームは、ニューラルネットワークと機械学習を取り入れたトレードシステムで、従来のものより高いパフォーマンスが得られることを示した。
マシンビジョンをベースにした手法でリアルタイムに判断
研究チームによるトレードシステムは、マシンビジョンを取り入れたもので、データを時系列の画像に変換する手法を用いている。
現在および過去の市場データから生成された画像を分析。売り、買い、保留の決定を機械学習に基づいて行う。
トレードでは、国や経済状況などファンダメンタルズ要因による急落や急騰があるため、動的な予測が求められるが、今回開発のシステムではリアルタイムの要因も考慮可能だ。
ランダム性を調整し安定したトレードを実現
研究チームはグローバル市場の指標としても用いられる株価指数、S&P500の2009~2016年までのデータを使って、折り畳みニューラルネットワーク(CNN)をトレーニングした。また、ランダム性の要素を調整するためにしきい値の制御を追加し、トレードを安定させている。これにより、勝つときは大きく、負るときは小さく……を実現したという。
同システムを最先端のトレードシステムと比較したところ、金融リスク、純利益といった指標でパフォーマンスが高かった。
今後研究チームは、同システムを実際のトレードプラットフォームに実装する計画とのことで、システムトレードでの利益の最大化に期待だ。
参照元:Deep Learning and Time Series-to-Image Encoding for Financial Forecasting/ IEEE JAS
- Original:https://techable.jp/archives/126950
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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