”EXTRABASS”で一点勝負するソニー「WF-XB700」はヒットの予感アリ!【イヤホンレビュー】

完全ワイヤレスイヤホンの製品ラインナップで日本のトップを走るソニー。2020年モデルとして6月6日に発売となった最新モデルが「WF-XB700」(実勢価格:1万6500円前後)です。ソニーが重低音志向モデルに付ける“EXTRABASS サウンド”のサブブランドで、トレンドのサウンドを全面に打ち出したモデルになっています。さっそく実機をレビューしていきましょう。

 

■スカッと気持ちいい重低音サウンド

昨年夏に発売したハイレゾ&ノイキャン対応の「WF-1000XM3」が大ヒットしたソニーですが、この「WF-XB700」は、ハイレゾやノイキャン、外音取り込みもアプリ対応も外して、“EXTRABASS サウンド”で一点勝負を仕掛けたモデルになります。上位機種と共通するのはワイヤレスが途切れにくい左右同時方式くらいです。

装着時に外から見えるパネルが丸みを帯びた形状は、完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しいデザイン。カラバリがブラック&ブルーということもあり装着イメージはワイルド系で、IPX4の防滴にも対応しています。

内側のフィット部と外のパネルの二重構造なので、耳からの飛び出し具合は大きめ。重量も実測8gと重めですが、3点で支えるエルゴノミック・トライホールド・ストラクチャーのおかげでガッチリハマればズレにくいタイプです。付属のイヤーピースはSS/S/M/Lと4サイズが付属しています。

操作は本体のボタンで行います。右のボタンで再生/停止、曲送り/戻し、左ボタンで音量操作に対応で、音声アシスタント呼び出しはナシ。

イヤホン本体の連続再生時間は9時間ですが、付属バッテリケースで1回分フル充電可能なので合計18時間。合計再生時間は短めの珍しい割り切りです。10分充電で60分再生可能なクイック充電も対応します。

PCとペアリングしてビデオ会議用に通話マイク音質もチェックしてみると、通話は支障なくできるけど音のクリアさはあと一歩かも。

 

■実は重低音以外も華やかなバランス型

宇多田ヒカルの『あなた』を聴くと、クッキリとクリアに立ち上がる女性ボーカルに、空間もしっかり広がり想像以上に重低音以外も華やかに聴けるバランス。BrunoMarsの『24K Magic』では、強めの音圧でズンズン攻める重低音にハイまでキレキレ。スカッと響く気持いいサウンドです。

*  *  *

「WF-XB700」はソニーの完全ワイヤレスイヤホンとしてはエントリーモデルで、音楽リスニング以外の機能はほとんどナシ。充電ケースの容量も少なく、随所にコストダウンの跡が目立つ機種という見方もできます。でも、“重低音イヤホン”で、かつ音質バランスも低音強めながらもロックやボーカル曲もちゃんと聴ける優等生。これは、定番機種としてヒットの予感アリです!

 

>> ソニー「WF-XB700」

取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長


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