ロックダウン解除後も米国のコネクテッドTV視聴は新型コロナ前より高水準

米国では、新型コロナウイルス(COVID-19)によるロックダウン中にテレビの視聴やストリーミングサービスの利用が急増したが、それはニューノーマルのようだ。Nielsen(ニールセン)の新たなデータがそれをうかがわせる。広範囲でロックダウンされていた期間、1週間にコネクテッドTV視聴に費やす時間は、メディア全体の利用とともに10億時間超も増加した。しかし政府による規制や外出禁止令が解除された現在でも、コネクテッドTVの利用は新型コロナ前よりも多いことがNielsenの調査で明らかになった。

スマートTVやインターネット接続のデバイス、ゲームコンソールなどを含むコネクテッドTVでは、ユーザーは従来のテレビやケーブルチャンネルよりも以上にさまざまなエンターテインメントにアクセスできる。コネクテッドTVではまた、インターネット経由のコンテンツ、ストリーミングアプリ、ゲーム、その他のビデオサブスクサービスも利用できる。コンテンツが豊富なため、コネクテッドTVの利用は新型コロナパンデミックの間に増えたが、一方で2020年5月初旬における従来のテレビの利用は2019年の水準を超えなかった。

Nielsenのデータによると、2020年3月時点で米国の世帯の76%が少なくともコネクテッドTVを1台所有していた。しかしそれは必ずしも使用量とは関係しない。コネクテッドデバイスを所有する世帯は2020年1月の1カ月で合計で125億時間視聴した。

ほどなくして米国で新型コロナ感染が拡大し、使用量は増えた。デバイスで視聴した時間は前年比81%増で、1週間あたりのコネクテッドTV使用が40億時間近く増えたこととになる。

家族が一緒に視聴するようになり、いわゆる「コビューイング」で、特にリビングルームでのデバイス使用が増えた。コビューイングが視聴に占める割合は2020年3月初めに62.5%だったが、3月末には64.1%になった。

コネクテッドTV以外では、ブロードキャスト、ケーブル、独立TVのコビューイングも2020年3月初めから5月初めにかけて2ポイント(34%から36%へ)増加した。

ただこのデータで最も注意するべき点は、コネクテッドTV使用の増加傾向が政府によるロックダウン解除の影響を受けていないことだ。家から出てより多くの場所に行けるようになったのにも関わらず、人々は家にこもってテレビを観ることを選んでいる。

2020年3月の第1週にコネクテッドTVの視聴に費やされた時間は27億時間だった。その後、外出制限が強まるにつれ視聴時間は増加し、4月6日〜12日の週は40億時間に達した。ただ5月初めまでに多くの州で外出禁止令は解除されたものの、コネクテッドTVの使用時間は1週あたり35億時間までしか減っていない。この数字はロックダウンが始まる前よりも多い。

こうしたデータは、新型コロナのワクチンが出てこない限り、そして新規感染者の数が増えている限り、消費者が外出に慎重になっているということを表しているのかもしれない。しかしパンデミックが米国の消費者行動に長期的に影響を与えていることを指摘する厳しいデータだ。

「米国の49州が経済を少なくとも一部再開しているにも関わらず、コネクテッドTVの利用が多いのは、消費者がコネクテッドTVで利用できるさまざまなオプションやコネクティビティへの関心の高さを示している」とNielsen述べた。「ゆえにニューノーマルでは、コネクテッドTVとコビューイングは新たなメディア消費方式の大きな部分を占める」としている。

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(翻訳:Mizoguchi


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