誕生以来、熱狂的な支持を獲得してきたFROGMAN
G-SHOCKで初めてISO規格に準拠した200m防水のダイバーズウォッチとして、1993年にデビューした「FROGMAN」(しかも、ペットネームが付けられた初めてのG-SHOCKでもある)。その初代モデル「DW6300-1A」は、潜水艦のハッチにインスパイアされたデザインを採用。フォルムは左右非対称となっており、これはダイビング時における手首の動きを妨げないように考慮したもの。G-SHOCKらしい高い性能と、G-SHOCK然としたルックスでありながらもちょっぴりひねりを効かせたデザインは、たちまち多くのファンを獲得した。
2年後の1995年には、2代目となる「DW-8200-1A」を発表。左右非対称のフォルムを継承しながら、ケースには新たにチタンを採用して軽量化を図るとともに耐久性も向上。その後は小型化の実現やタフソーラーの搭載、マルチバンド6への対応、トリプルセンサーの搭載など、着実な進化を遂げてきた。
また、他のG-SHOCKと同様、タイアップモデルや多彩なカラーバリエーションを展開してきたこともFROGMAN人気を高めた要素と言えるだろう。“イル・クジ(国際イルカ・クジラ会議)”や“W.C.C.S.(世界サンゴ礁保護協会)”といったタイアップモデルを筆頭に、ベゼルとバンドにビビッドなイエローを採用した「DW-6300-9」や、西暦2000年を祝して全面にレッドをあしらった「DW-8200NT-4JR」などはかつてのG-SHOCKブームを牽引した存在。また、海上保安協会の全面協力を得てデザインされ、ウェットスーツを想起させる鮮やかなイエローを採用した2018年リリースの「GWF-D1000JCG」も記憶に新しい。
FROGMANの進化と、“カエル”の進化
陸・海・空の過酷な自然環境や極限状態での使用を想定した「MASTER OF G(マスターオブG)」に位置付けられるほどの高い性能を備えつつ、ファッションやモノ・カルチャーにも影響を及ぼしているFROGMANだが、このシリーズにはもうひとつ、ファンが注目する要素がある。ケースバックに刻印された“カエル”のイラストだ。
初代モデル「DW-6300-1A」に描かれたのは、ダイビングの装備を身に付けたカエルのイラスト。G-SHOCK初のダイバーズモデルというコンセプトに合わせたシンプルで明快な内容だ。このイラストは2代目の「DW-8200-1A」、3代目の「DW-9900-1A」でも採用されたが、1999年に発表されたフルメタルモデル「MRG-1100-2」では、水中スクーターにしがみつくカエルのイラストが描かれた。
その後も、スノーケルから出る気泡を型番にしたり、ケースの素材に合わせてカエルの模様を変えたり、さらにはカエルにガスマスクを装着させたりするなど、ユニークな試みが盛り込まれており、ファンは時計本体はもちろんのこと、イラストの内容にも密かに注目しているという。
初のアナログモデルでカエルも一新
FROGMANの誕生から17年が経った2020年、カシオはシリーズ初のアナログ表示を採用した「GWF-A1000」を発表した。大型のインデックスと時分針によって判読性を高めるとともに、時計本体は裏蓋一体型のモノコックケースにガラスを圧入したメタルリングを固定するカーボンコアガード構造を採用し、防水性はもちろん、耐久性と装着感をも向上させた、カシオの技術力が冴える設計だ。
もちろん機能面も充実しており、スマートフォンとのリンクによって時刻を自動修正でき、ワールドタイム設定も可能。潜水時間や水面休息時間、潮汐情報をスマートフォンと連携させ、時計の針で直感的に読み取れるのもダイバーにとっては利便性が高まったと言えるだろう。
そして、この新作にもケースバックにはしっかりとカエルのイラストが刻印されている。
「FROGMANシリーズ初となるアナログモデルなので、本体だけではなくカエルのイメージも一新させ、進化を表したデザインにしています。カエルにアナログ針を持たせ、その針も電波受信機能を搭載していることを表現するため雷の形に。カエルの側にはカーボンコアガード構造を示す“CG”のロゴをあしらったことに加え、カエルの目もベゼルのビスと同じ、三ツ矢にしているのもポイントです」
新しいイラストについてこのように説明するのは、G-SHOCKのデザインを担当するカシオ計算機の橋本威一郎氏。時計に合わせてイラストも進化させるのみならず、そのコンセプトや機能をふんだんに盛り込んだ作風からは、新FROGMANに盛り込まれた情熱が伝わってくる。
機能の進化やルックスの一新はもちろん、ちょっとした遊びにも抜かりないからこそ、G-SHOCKはそれ自体がカルチャーになり得たのだろう。とりわけ歴代のFROGMANを確認していくと、それを強く感じるのだ。
問カシオ計算機●03-5334-4869
https://g-shock.jp
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000125005/
- Source:デジモノステーション
- Author:竹石祐三
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