ESA(欧州宇宙機関)により、現在の大気汚染の状況が一目でわかるマップが一般公開された。同マップは、Copernicus Sentinel-5P(コペルニクス センチネル5P)衛星からのデータをもとに、二酸化窒素濃度を直近14日間の移動平均で表している。
マップは、ズームインして地域ごとの詳細な状況が確認できるほか、期間を変更して時系列での変化を見ることも可能だ。
正確かつ高い空間分解能で大気中の汚染物質を撮像
大気汚染マップの公開は、欧州委員会のバックアップのもと進められているプロジェクト「S5P-PAL(Sentinel-5P Product Algorithm Laboratory)」の一部。同プロジェクトでは、センチネル5Pに搭載する機器やデータ可視化アルゴリズムの開発なんかに取り組んでいる。
コペルニクス センチネルは、EUが所有する衛星群で、豊富なデータと画像を配信するように設計されたもの。2017年に打ち上げられたセンチネル5Pには、正確かつ高い空間分解能で大気中の汚染物質を撮像する最新機器が搭載されている。
なお、今回公開された二酸化窒素濃度のマップのほかにも、一酸化炭素バージョンを現在開発中とのこと。
新型コロナのロックダウンによる影響も確認できる
大気中の二酸化窒素濃度は、経済活動や気象条件などにより、日々大きく変動する。新型コロナによる影響も如実に反映していて、インドや中国など地域によっては、ロックダウン時の二酸化窒素濃度の大幅な低下が確認できるだろう。
日本についても、大都市圏で二酸化窒素濃度が高いことがわかるが、4月半ば~5月初頭についてはマップ上の色が薄くなっていることが見て取れる。
誰もがさわって確認できる大気汚染マップは、環境問題や呼吸器疾患への関心をより高めてくれそうだ。
参照元:Global air pollution maps now available/ ESA
- Original:https://techable.jp/archives/128138
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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