初の高水準言語「Silq」は、量子プログラミングをあつかいやすいものに!

特定の領域において、古典的コンピュータの計算能力をはるかに上回る量子コンピュータ。ハードウェアの開発に注目が集まっているが、同時にエンジニアが扱いやすい量子プログラミング言語の開発が求められている。

こうしたなか、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHチューリッヒ)の研究チームが、古典的コンピュータと同じくらい簡単、確実にプログラミングが可能な言語「Silq」を発表した。Silqは、量子プログラミング言語で初の高水準言語となる。

アーキテクチャの特性を意識せずプログラミングできる

量子プログラミングでこれまで用いられてきたハードウェア記述言語では、量子回路の挙動を正確に記述する必要があり、エンジニアにとってあつかいにくいものだった。Silqなら、アーキテクチャの特性を意識せず開発が進められる。

Silqでの最大の革新は、これまで量子プログラミングをむつかしくしていたエラーに関連したものだ。コンピュータは、中間ステップのタスク処理において一時的な値を生成する。

一般的なプログラミング言語では、ガベージコレクションにより不要になった値を自動的に消去し、メモリを開放してくれている。量子コンピュータでは量子のもつれがあることから、このガベージコレクションがむつかしく、一時的に保存された値の干渉がエラーをまねいていた。

高度な手法を用いてガベージコレクションの仕組みを実装

Silqでは、高度な手法を用いてガベージコレクションの仕組みの実装に成功したとのこと。これにより、エンジニアは特殊な量子演算が不要となり、古典的なプログラミングスキルをそのまま開発に活かせる。

SilqはすでにWebサイトで公開されており、ドキュメンテーションやサンプルコードを参照することが可能だ。

プログラミング言語の会議「PLDI2020」で発表予定のSilqは、まだまだ発展途上。新たな量子プログラミング言語の開発に与える影響も大きいだろう。

参照元:The first intuitive programming language for quantum computers/ ETH zurich


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