Mac用プロセッサーを独自開発中とAppleが正式発表

Apple(アップル)は、米国6月22日のWWDCでおそらく最も大きなニュースを発表した。Tim Cook(ティム・クック)氏は同社がデスクトップとラップトップ用の自前のプロセッサーを開発していることを正式に明らかにした。ここ数年噂されていたもので、Intel(インテル)のチップへの依存から脱却し、ARMベースの独自チップに移行する。

この動きはハードウェア生産のあらゆる点を可能な限りコントロールしたい同社にとって当然のステップであり、iPhone、iPad、そしてApple Watchでの措置に続くものだ。同社はすでにこうしたモバイルデバイス向けに数世代のチップを手掛け、Macにも拡大することを決めた。

Appleは同社のSOC(System-on-a-chip)がバッテリーの持ちを犠牲にすることなくさらにパフォーマンスを向上させることができると主張する。本当なら、かなり素晴らしい変更だ。またグラフィックのパフォーマンス向上とともに、オンボードもモバイルデバイスで提供されているようにセキュリティが強化される。

Appleが言うには、こうした取り組みにより同社のデバイスが同じプロセッサーアーキテクチャを使うことになり、これはクロスプラットフォーム操作で大きな利点となる。驚くことではないが、 iOSとiPadOSのアプリを箱から出したばかりのデスクトップで直接扱えるようになることを意味する。同社がmacOSのCatalystで展開してきたものを力強く前進させることにもなるが、ネイティブアプリ同様には機能しないと思われる。

ただ、こうした取り組みにもかかわらず、デベロッパーが新旧のMacでアプリを作やすくなるように取り組んでいる、とAppleは話す。大半のユーザーがアップグレードするまでまだしばらく時間があることを考えると、重要な注意点だ。Microsoft(マイクロソフト)も含め、多くのデベロッパーがすでに新たなアーキテクチャを開発中だ。

移行をスムーズなものにするために、AppleはRosettaの新バージョンを投入する。RosettaはマイクロプロセッサーPower PCからの移行をサポートするプログラムだ。Rosetta 2はアップグレードされていないアプリが新しいプロセッサー上でも作動することを保証する。これらは今日発表されたmacOS 11 Big Surの鍵を握るポイントとなる。

今回のWWDCでAppleはまた、デベロッパーが新Macに取り掛かれるDeveloper Transition Kit(DTK)も発表した。DTKは、システムが実際に使えるようになる前に有利なスタートが切れるようにする強化されたMac Miniのようなものだ。ARMベースのチップを搭載した初のMacは今年後半に発売され、完全移行には2年かかるとされる。つまり、Intelベースのシステムが今後も一部展開されることを意味する。

Appleは古いモデルのサポートを継続するとクック氏は述べたが、新しいシステムがどのようなものになるかを確かめるまではアップグレードをしばし控えても良さそうだ。新たなシステムについての詳細は示されなかった。しかし、13インチのMacBook Proが新しいシリコンを搭載する初のモデルとなり、再設計されたiMacは来年初めに投入されることが予想される。

そのほかにもまだ不明な点は多い。結局、WWDCは目まぐるしいスピードで駆け抜ける洗練されたキーノートだ。詰め込むにも限度というものがある。約束した新チップの処理能力の改善やバッテリーのもちに関して、Appleは実際にそれがどんなものなのかプロダクト発表時に明らかにするようだ。

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(翻訳:Mizoguchi


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