ビジネス会議にしてもソーシャルディスタンス中の社交的なビデオ通話にしても、最近では誰もがウェブカメラを必要としている。ほとんどの読者はノートパソコンの内蔵カメラや年代物の取り付け式カメラを使用していることだろう。そんな中、もしもあなたが大手ブランドによる優良カメラを持っている場合、ソフトウェアの力を少し借りるだけで、スタンドアロンのウェブカメラとして設定し、友達や同僚も羨む画像を手に入れることができる可能性がある。
照明、オーディオ、その他さまざまな設備を使用して作る、プロ並みの家庭用ウェブカメラソリューションガイドをこちらの記事で紹介しているが、デジタル一眼レフやミラーレスカメラをコンピューターに接続する作業は、想像するほど簡単ではない。
実際は100ドルほど投資すれば、カメラの信号をHDMIに変換するキャプチャカードやドングルを手に入れ、それですべてを解決することができる。しかしその行程を経ず、数分でこれを実現させたい場合の、ソフトウェアのみを使用したカメラとOSソリューションをご紹介しよう。
驚いたことに、ここ数年間にリリースされたカメラをコンピュータに接続して作動させようと思ってもだめなのである。今のところ、キヤノン、富士フイルム、パナソニックのみが少なくとも1つのデスクトップOSに無料のウェブカメラ機能を提供している。ニコン、ソニー、オリンパスの場合は、支払いが生じるか透かしが付くかのどちらかになる。
ここでは各ブランドのカメラを機能させるための最も簡単な方法を紹介する(スポイラー警告:Macの場合はほぼ全てのケースでCascableを使用することになる。読者は皆自分のカメラのブランドについて書かれている箇所までスクロールして、ここを飛ばして読んでいるだろうから、これについてはもう数回言及しようと思う)。
キヤノン:EOS Webcam Utility
キヤノンはほんの数週間前にこのソフトウェアをリリース。まだベータ版であるため問題はいくつかあるかもしれないが、同製品はWindowsとAppleの両方のマシンとさまざまなカメラ本体をサポートしている。マイクロサイトにはアプリの追加ドキュメンテーションやチュートリアルさえ用意されている。
互換性はかなり良好で、過去3〜4年間にリリースされたどのカメラ本体でも使用可能だ(Rebel T6-T7i、T100、SL2、SL3、5D MkIV、5DS、5DS R、6D Mk II、7D Mk II、77D、80D、90D、1D X Mark IIとMark III、M6 Mk II、M50、M200、R、RP、PowerShotG5X Mk II、G7X Mk III、SX70 HS)。ソフトウェアはここからダウンロードできる。
問題が発生した場合は、以下に記載されている他のブランドのサードパーティ製アプリをチェックしてみて欲しい。それで上手くいく場合もある。
富士フイルム:X Webcam
富士フイルムのソリューションは簡単ではあるが、限定的である。人気のX100シリーズがサポートされていない上に、Macにも対応していない。しかし、同社の最近のレンズ交換式ボディとWindows10をお持ちの場合は幸運である。インストールして通常のUSBケーブルでカメラを接続するだけで完了だ。
X-T2、X-T3、X-T4、X-Pro2、X-Pro3、X-H1、GFX100、GFX 50R、GFX 50Sと互換性がある。ミディアムフォーマットの設定を正しく行わなければ、目元は焦点が合っても耳元はズレることになる。ソフトウェアはここからダウンロードできる。
Macにおいては、さまざまな目的でカメラへの架け橋として機能するCascableがMacのソフトウェアとして便利である。同ソフトウェアの制作者はウェブカメラ機能を最近追加したところで、有線接続とワイヤレス接続の両方で幅広い互換性があり富士フイルム独自のソフトウェアよりも幅広い機能を提供しているが、これは無料ではない。しかし現在の30ドル(約3200円)という価格は、優れたウェブカメラを購入する場合と比べたら安上がりと言えるだろう。
コマンドラインを扱う自信がある場合、このチュートリアルが少しの作業とサードパーティ製ソフトウェアを用いて同社のカメラをMacで作動させる方法を紹介している。
パナソニック:Lumix Tether
パナソニックはLumix Tether Windowsアプリのウェブカメラ対応バージョンをリリースしたところだ。ドキュメンテーションの少なさから、これがかなり必要最低限なソリューションであることが見て取れる。ただし価格は適切だ。GH5、G9、GH5S、S1、S1R、S1Hに対応。同社はまた、OBSのようなストリーミングソフトウェアを使い始める方法を説明した、順を追った有益なチュートリアルを公開している。
Cascableは多くのパナソニックカメラで機能し、その上公式アプリよりも断然優れている。スーパーズーム機能で遊ぶのも楽しい。
ソニー
ソニーのカメラをウェブカメラに変えるための公式ソフトウェアは存在しないため、ワンストップソリューションが必要な場合はサードパーティ製を使用するしか他ない。Windowsに関しては、Sony Remoteを使用して画像をテザリングし、ストリーミングソフトウェアに無理やり転送するというような代替策がある。詳しくはこのビデオで説明されている。理想的とは言えないが、ひとつの手段ではある。
ここでもMacにおいてはCascableが最善策である。NEXシリーズやRX100 IIIなどのカメラ数世代分に対応している。Ecamm Liveもソニーと互換性が限定的にあるが、最新モデルしかサポートしていない。月額12ドル(約1300円)だが、試してから購入したい場合は無料トライアルもある。
オリンパス
Windowsに関してはここでも同じく、公式ソフトウェアが存在しない。しかしテザリングソフトウェアを使用してライブビュー画像を収集し、それをストリーミングソフトウェアに転送できる場合がある。
MacではCascableがStylusカメラやレトロなPEN Fなどを含む多くのモデルを有線でサポートしている。カメラもこのようなモダンな方法で使用されるとは思いもしなかっただろう。Ecamm Liveは最新モデル(E-M1 II、III、X、E-M5オリジナル、Mk II)と互換性がある。残念ながらPENシリーズはだめなようだ。
ニコン
最近ニコンは同社のカメラを使用したストリーミング方法に関するお役立ちページを公開したのだが、驚いたことにソフトウェア自体を開発することはなく、さまざまなサードパーティ製ソフトウェアを紹介している。
前述と同様に、CascableがニコンをMacで作動させるための最も簡単な方法のようだ。一方でWindowsにはSparkoCamが頻繁に推奨されている。
これからウェブカメラを設置する読者への注意点
上記で紹介した方法は簡単ではあるものの、問題点がないかと言ったらそうではない。
可能性としてはオーバーヒートがそのひとつだ。これらのカメラは主に静止画や短い動画クリップを撮影するために設計されている。長時間フル稼働することでカメラが熱くなりすぎて機能しなくなり、シャットダウンする場合がある。カメラ自体に深刻なダメージを与えることはないが、注意すべき点ではある。これを回避する最善の方法は、電源アダプターでダミーバッテリーを使用するということだ。簡単に手に入れることができ、過熱の緩和にも有効だ。
オーディオ機能は画像ほど優良でないかもしれない。本格的なビデオワークには通常外部マイクが使用されるが、これは誰にでもおすすめすることである。まともなマイクは50ドル未満で簡単に手に入れることができ、デバイスの内蔵マイクを大幅にアップグレードできることを考えると購入しない理由はない。
また、カメラの使用に際する最適な設定についてのフォーラムを確認することもおすすめしたい。数分後にカメラがオフにならないようにすることや、露出の選択などが確認するべきことの例として挙げられる。例えばここでは静止画を撮るわけではないため、解像度を心配する必要がなくワイドオープンで撮影できる。一方で、オートフォーカスが迅速かつ正確に機能していることを確認しておかないと、ピンボケ映像に終わってしまう可能性がある。いくつか異なる方法で設定してみて、最良な方法が見つかるまで試してみると良いだろう。
ここまでの準備が全て整ったら、次は背景を設置する方法を詳しく説明したガイドを読んでいただきたい。
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カテゴリー:ハードウェア
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(翻訳:Dragonfly)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/06/24/2020-06-10-how-to-get-your-nice-camera-set-up-as-a-high-quality-webcam/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Devin Coldewey
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