地表や海面観測を行う超小型衛星に関するプロジェクトが、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の「革新的衛星技術実証3号機」の実証テーマとして採択された。
このプロジェクトは、東京工業大学(以下、「東工大」)を代表機関とし、複数の大学や企業からなる産学連携チームによって提案されたもの。2022年度の衛星打ち上げを目標として、取り組みを続けていく。
低コストな超小型衛星を活用
質量100kg未満の超小型衛星は、低コストかつ短期間での開発が可能で、世界の宇宙ビジネスにおいて中心的な存在になっているという。その衛星の事業化に関する議論が、「新宇宙産業を創出するスマート宇宙機器・システムの研究開発拠点」プログラムにおいて行われた。これは、東工大が中心となって運営し、企業も参加するプログラムだ。
議論の中で、地表や海面の物質識別などに役立つマルチスペクトルカメラの利用が決定。衛星に搭載し、食糧問題解決に貢献可能な事業の実証を行うこととなった。この事業が、前述の「革新的衛星技術実証3号機」の実証テーマとして提案され、今回の採択に至っている。
2022年度の打ち上げを目指す
今回のプロジェクトでは、高性能な姿勢制御装置「スタートラッカー(STT)」を備えた50kg級の衛星バスと、マルチスペクトルカメラを組み合わせる。それらを用いて地表や海面を観測し、データの取得や解析を行う。得られたデータは多方面における利用が想定されており、プロジェクトチームの一員であるウミトロン株式会社は養殖業での活用を図る。
衛星は、2022年度にJAXA内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられる予定。イプシロンロケットが用いられ、打ち上げ後は2年間のミッション運用を見込んでいるとのこと。
(文・早川あさひ)
- Original:https://techable.jp/archives/129249
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:早川あさひ
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