Spot.IMはTechCrunchのようなパブリッシャーのサイトにユーザーのコメントを管理するプラットフォームを提供している。今週同社は、OpenWebとしてリブランディングすることを発表した。
CEOで共同創業者のNadav Shoval(ナダブ・ショヴァル)氏によると、新しい名称はもっと大きなビジョンを表現しており、同社初のプロダクトである位置情報に対応したメッセージングサービスよりも意欲的だ。
ショヴァル氏は「我々全員が、自分たちが実際にやっていることをもっと誇りに思うべき時だと感じたんだ。それはオープンなウェブを救うことだ」。
具体的にショヴァル氏が望んでいるのは、オンラインの会話をFacebook(フェイスブック)のような大きなソーシャルプラットフォームから独立したパブリッシャーに戻すことだ。そのために彼は、通信品位法第230条の再検討や改正についての最近の議論(未訳記事)を指摘している。
ショヴァル氏によると、Twitter(ツイッター)の検閲行為に対するトランプ大統領の不平を額面どおりに受け取る必要はないが(未訳記事)、重要なのは「大きなテクノロジー企業の1社たりともコミュニケーションをコントロールすべきでない」という点だ。
その目的のために同社は、そのプラットフォームの改訂バージョンを披露した。そこにはパブリッシャーが自分たちのコミュニケーションの質を評価する、ユーザーがコメントに点数をつけてコメントの質の向上を奨励する、コメントがパブリッシャーの基準に違反していたら再考をうながすといった新機能がある。OpenWebはそうした警告のことを「nudges(ナッジ、注意を促すため人をひじで軽く突っつくこと)」と呼び、無視したければ無視してもよいとしている。
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OpenWebのプロダクト担当上級副社長であるIdo Goldberg(イド・ゴールドバーグ)氏は「悪質な行為を、アルゴリズムだけに頼って特定することは止めた。ここで私たちが行ったのは、何百万もある会話の品質とスケールをどう見るべきかを理解することに多くの時間を費やした」という。
会話と感情表明における大きなテーマは礼儀だ。そういうゴールドバーグ氏は、OpenWebのナッジがユーザーの気持ちを変えて、もっとおだやかな言葉遣いのコメントになった例を挙げた。しかし礼儀が必ずしも常に良質な会話に導くとはいえないのではないか。なにしろ人種差別や性差別、同性愛者差別などのヘイトメッセージは、表面的には丁寧な言葉で語られていることが多い(The Atlantic記事)。
ゴールドバーグ氏は私の異論に対して「礼儀は基本線だ」と答えた。「無礼な言葉遣いになってきたら、建設的な会話をしたい人はその場を去るだろう」と彼はいう。
ショヴァル氏は 「良質な会話のための特効薬はない」という。OpenWebは「インターネットを検閲しているイーストコーストの左翼」には見られないようにして、良質な会話を奨励してきたし、各パブリッシャーと協力してやり過ぎにならないラインを見つけて、地域による違いにも配慮してきたが、結局のところそれは「終わりのない旅路を望んでいたことに他ならない」とのことだ。
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画像クレジット:Tero Vesalainen
[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/06/27/2020-06-26-spot-im-openweb/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha
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