Apple(アップル)は、Apple Cardの審査に落ちた人たちのために独自のプログラムを開始する。
拒否されたApple Card申請者は、米国時間6月29日中に端末に通知が送られ、「Path to Apple Card(Apple Cardへの道)」プログラムの案内が届く。これはオプトインプログラムで、最長4カ月間継続する。プログラムはGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の情報を元に申請者の信用度を算出、拒否された理由の概要を説明して、次回承認される可能性が高くなるように財務的な指標を改善する手助けをする。
プログラムにオプトインすると、レーティングに応じてパーソナライズされた行動指針の改善状況が送られてくる。
行動指針には例えば次のようなものがある。
- 未払い残高を解消する。
- 有担保、無担保の債務を期日までに返済する。
- クレジットカードと個人ローンの負債額を減らす。
通知にはこうした指標を改善するための具体的な方法も書かれている。
プログラムを完了した利用者は、Apple Cardの再申請に招待される。
上に挙げたポイントは、信用度の基本的な仕組みを理解している人にとってはごく当たり前のものに違いない。しかし私は、これを簡単だと感じる人たちに対していかに「多く」の人たちが、金融機関の審査プロセスで申請の承認と拒否を決定する要因を知る手段を持って「いない」かをよく考えて欲しいといいたい。このような対話型プログラムは、私の知る限りかつてクレジットカードの世界に存在したことがない。
通常、クレジットカードの申請を断られると、なぜ拒否されたかの「理由」が書かれたメールが近々送られるという通知を受け取る。しかし、多くの場合それは、山ほどの書類の中に、何が問題だったかを示すあまり役にたたない一文が入っているだけだ。積極的な行動につながるものではない。
プライバシーに関しては、あなたがプログラムに勧誘されたとこを知っているのはアップルだけだ。アップルが個人を特定できる情報を持ち続けることはなく、参加者の詳細な財務状態を知ることもない。ゴールドマン・サックスも、このデータを広告やマーケティングのために第三者に渡すことはない。Apple Card自身とほぼ同じ条件だ。
財務状態の透明化に関するApple Cardの扱い方を私は楽観的に見ている。Apple CardのiOSアプリにある 「payment wheel(支払いホイール)」は、これまでのクレジットカード向けインターフェースの中で最も明快でよくできている。利用者がどうしてもそうしたいと思わない限り、購入金額の利子を「支払わない」ようにすることに徹底した仕組みであり、業界標準とは大きく異なっている。
この財政健康ツールはアップルの全体的哲学とも一致している。副次効果として、こうした手順は利用者の全体的信用度を改善する結果を生んでいることも間違いない
さらにアップルは最近新たなウェブサイトを立ち上げ、ゴールドマン・サックスがカードの申請承認と利用限度の決定に使っている正確な基準を詳しく説明している。このサイトにはどうやって利子を計算しているのかなども書かれている。
画像クレジット:Apple
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/06/30/2020-06-29-apple-launches-path-to-apple-card-a-4-month-credit-worthiness-improvement-program/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Matthew Panzarino
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