Ford(フォード)社は木曜日の晩、エレキギターのリフをバックに、ビデオの中から飛び出してくるような演出を用いて、フルモデルチェンジを果たしたF-150トラックの新型車を大々的に発表した。MCにはなんと、あの歯に衣着せぬDenis Leary(デニス・リアリー)を起用した。
もちろん、そんなことはどうでも良いことで、注目すべきは、フラグシップとして、また最も収益を望めるモデルとして、同社が改良を重ね、形にしてきた内容だ。前回のマイナーチェンジから実に6年が経過している。このまったく新しいF-150は、フォードトラックのファンが大いに期待してきた高い性能と豊富なオプションを備えている。例えば、フォードでは11のグリルオプションを提供している。
しかし、今回際立っているのは、組み込まれているテクノロジーと、マイルドハイブリッドを飛び超えて、いきなりフルハイブリッドパワートレインを採用したことだ。
新しいF-150で採用されたすべてのテクノロジーを以下に紹介する。まずは、インテリアと車載インフォテインメントシステムから。
コントロールセンター
ベースバージョンとなる XL には、8インチのセンタータッチスクリーンディスプレイが標準装備される。しかし、XLT 以上のグレードでは、画面を分割できる12インチのディスプレイが装備されている。これにより、ナビゲーション、音楽、トラック機能など、複数の機能を同時に操作できる。
接続性とOTA
搭載されている機能をサポートする接続性を備えていなければ、そのディスプレイにいったい何の意味があるだろうか。注目に値するのが、F-150には新しいSYNC 4システムと、最大10台のデバイスまで Wi-Fiアクセスを提供できる4G LTE内蔵モデムが搭載されている点である。前の世代より2倍のコンピューティング性能を備えたSYNC 4は、F-150のすべてのモデルに標準装備され、音声制御やリアルタイムマッピングといった機能も備えている。SiriusXMが提供するオンデマンドオーディオコンテンツも利用できる。
またスマートフォンをワイヤレスでApple CarPlayやAndroid Autoに接続できる。
このマストなシステムは、外部に委託せず、自社で製造しているため、無線ソフトウェアアップデートをサポートする。つまり、対象車種にアップグレードがロールアウトされ、運転アシストシステムの追加や改善を行ったり、地図を最新の状態に保ったりすることができる。SYNC 4はAppLinkシステムを介してサードパーティアプリも提供し、Wazeや「Ford+Alexa」と呼ばれるAmazon(アマゾン)社のAlexa(アレクサ)などにも対応する。
オフィス、寝室、それともダイニングルーム?
フォードが仕事のためにトラックで長い時間を過ごす人にターゲットを絞っていることは明白だ。この新しいF-150のセンターコンソールエリアは作業台へと変化する。この作業台は、書類に署名したり、15インチサイズのノートパソコンを使用したり、サンドウィッチを置いたりできるように設計されている。コンソールシフトレバーをうまく格納することによって、この快適な空間を作り出すことに成功した。ドライバーがボタンを押すとシフトレバーが折りたたまれて格納場所に収まり、ノートパスコンを広げるスペースがつくりだされる。
テールゲートを外に倒すと、物差しやモバイルデバイスを固定でき、カップホルダーや鉛筆収納ケースにもなる別の作業台が現れる。
発表前に少しリークされていたが、車内後部座席は完全フラットになる。この「マックスリクライニング」シートはほぼ180度倒すことができ、宣伝されている通り、King Ranch(キングランチ)、Platinum(プラチナ)、Limited(リミテッド)などのハイエンドモデルに装備されている。
ハイブリッドシステム
フォードは、F-150 XLからリミテッドまでのモデルで、フルハイブリッドパワートレインとも呼ばれる「PowerBoost」システムを提供している。このシステムは、フォードの3.5リッターV6エンジンと10速トランスミッションを35キロワットの電気モーターと組み合わせることによって実現されている。この電気モーターは、回生ブレーキによるエネルギー回収を利用し、トラックの下部に設置されている 1.5kWhリチウムイオンバッテリーに充電している。
フォードによると、一度の給油でEPA推定航続距離約1126キロメートルを目標としており、少なくとも約5.5トンの牽引が可能である。
電力
このトラックは、「Pro Power Onboard(プロパワーオンボード)」と呼ばれる車載発電機も備えている。オプションのガソリンエンジンで、2.0キロワットの電気出力が可能となる。ハイブリッド F-150では2.4キロワットの電気出力が標準で、オプションで7.2キロワットの出力を選べる。
所有者はキャビンにあるコンセントに差し込んで電源を利用できる。また、荷台には最大4 つの120ボルト20アンペアのコンセントが装備される。7.2キロワットの電源オプションの場合、240ボルト30アンペアのコンセントが備えられている。自動車で移動中に工具のバッテリーを充電することが可能になる。
アシスタント機能が満載
走行時には多くの危険が潜んでいるため、いつも安全に運転するのは容易なことではない。そのためフォードが提供する Co-Pilot 360 2.0システムの一部には運転アシスト機能が含まれている。注目すべき点は、これらの高度な運転アシスト機能はベースモデルの XL から標準装備されていることである。これには、自動緊急ブレーキと歩行者検知を利用した衝突を事前に避けるアシスト機能、ダイナミックヒッチアシストを備えたバックカメラ、ヘッドランプのハイビーム自動切り替え機能、ヘッドランプのオン/オフ自動切り替え機能が含まれる。
フォードはこれまで10個の運転アシスト機能を新たに追加してきた。最も有名なのは、Active Drive Assist(アクティブドライブアシスト)と呼ばれる、ハンズフリー運転機能である。2021年の第3四半期に、全電動式Mustang Mach-E(マスタング・マッハ E)を含む特定の車種にソフトウェアアップデートを介してロールアウトする予定。
ハンズフリー機能は、米国およびカナダの中央分離帯のある、事前に地図に登録されている約16万キロの高速道路で利用できる。モニタリングシステムには、ドライバーが道路に注意を払い続けているかを確認するため、視線や頭の位置を追跡する高度なドライバー顔認識赤外線カメラが含まれる。 DMS は、ドライバーが車線維持モードを選択したときに、ハンズフリーモードで使用される。これは、車線が引かれている道路で機能する。ドライバーが視線を前方から逸らすと、インストルメントクラスターに視覚的に警告が表示される。
ドライバーが左折しようとするときに対向車があればそれを検知する「Intersection Assist,(交差点アシスト)」機能や、縦列駐車や直角駐車を行う際にボタンを押すだけでステアリング、シフトチェンジ、ブレーキ、アクセルを制御する「Active Park Assist 2.0(アクティブ駐車アシスト 2.0)」機能もある。
さらに、「Trailer Reverse Guidance(トレーラーバックガイダンス)」機能や 「Pro Trailer Backup Assist(プロトレーラーバックアップアシスト)」機能もある。これらは新しいものではないが、トラックを運転するものにとってどれも重要な機能である。
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カテゴリー:モビリティ
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(翻訳:Dragonfly)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/07/10/2020-06-25-all-the-tech-in-fords-most-important-vehicle-the-2021-f-150-truck/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Kirsten Korosec
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