日本マイクロソフトは、モバイルPCのフラッグシップであるSurface Book 3を5月7日に発表、6月5日に販売開始した。2 in 1 PCにはキーボードカバー型、ディスプレイ回転型などがあるが、Surface Bookシリーズは、CPU含むメインボードを内蔵するタブレット部、ディスクリートGPU(dGPU)とセカンドバッテリーを内蔵するキーボード部で構成。3Dゲームやクリエイティブ系アプリを快適に動作させられるパフォーマンスを備えている。
Surface Book 3には13.5型と15型が用意されているが、今回はSurface Book 3 13.5インチを試用して、それぞれのスタイルでどのぐらいの処理性能を発揮するのかをチェックしていく。
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Surface Book 3 13.5インチの価格は、19万800円~(一般向け)、18万8800円(法人向け)
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タブレット部だけでも利用可能だが、当然その場合はdGPUを利用できない
Core i5モデルにはdGPUが搭載されていない点に要注意
Surface Book 3 13.5 インチには下記の4モデルがある。Core i5版のCPUは第10世代(Ice Lake)のCore i5-1035G7(4コア8スレッド、1.20~3.70GHz)、Core i7版のCPUはCore i7-1065G7(4コア8スレッド、1.30~3.90GHz)が採用されている。なお一般向けには、Windows 10 HomeとOffice Home & Business 2019、法人向けはWindows 10 Proがプリインストールされている。
- Core i5、メモリー8GB、SSD256GB(一般向け19万800円、法人向け18万8800円)
- Core i7、メモリー16GB、SSD256GB、GeForce GTX 1650(一般向け23万8800円、法人向け23万6800円)
- Core i7、メモリー32GB、SSD512GB、GeForce GTX 1650(一般向け28万7800円、法人向け28万5800円)
- Core i7、メモリー32GB、SSD1TB、/GeForce GTX 1650(一般向け31万800円、法人向け30万8800円)
プロセッサー以上の大きな違いがCore 1i5版にdGPUが搭載されていないこと。最新の3Dゲームやクリエイティブ系アプリを快適に動作させるためにはdGPUは必須なので、購入を検討するなら特に注意してほしい。
なお15インチモデルも同じくCore i7-1065G7が搭載されているが、dGPUは上位のGeForce GTX 1660Tiが採用されており、また、法人向けにはQuadro RTX 3000搭載モデルも用意されている。13.5インチと15インチモデルでは、画面やボディーの大きさだけでなく、グラフィックス性能も異なる点に留意しておこう。
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本体天面。背面には800万画素カメラ、前面には500万画素カメラとWindows Hello対応顔認証カメラが内蔵されている
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ボディーはマグネシウム合金製。本体サイズは、Core i5版が幅312×奥行き232×13~厚さ23mm、多さは1534g、Core i7版が幅312×奥行き232×厚さ15~23mm、1642g
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キーボードは日本語仕様のみ。キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.5mm前後
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本体前面に電源ボタンとボリュームボタンが配置されている
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インターフェースは、右側面に3.5mmヘッドフォンジャック×1、USB Type-C 3.1 Gen 2×1(USB Power Delivery revision 3.0対応)、Surface Connectポート×1、左側面にUSB Type-A 3.1 Gen 2×2、フルサイズSDXCメモリーカードリーダー×1を用意
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タブレット部の下部にSurface Connectポートがもうひとつ配置されている
利用スタイルでパフォーマンスが大きく変わる
今回3つのベンチマークを実施した。CPUベンチマークのCINEBENCH R20.060のCPUスコアは1655pts、3DゲームベンチマークのFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2(標準品質/2560×1440ドット/フルスクリーン)のスコアは3013、ストレージベンチマークのCrystalDiskMark 7.0.0のシーケンシャルリードは2075.96MB/秒、シーケンシャルライトは807.44MB/秒という結果だ。3Dゲームやクリエイティブ系アプリを快適に動作させられるだけのパフォーマンスを備えていると言えよう。
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CINEBENCH R20.060のCPUスコアは1655pts
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FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2(標準品質/2560×1440ドット/フルスクリーン)のスコアは3013
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ストレージベンチマークのCrystalDiskMark 7.0.0のシーケンシャルリードは2075.96MB/、シーケンシャルライトは807.44MB/秒
ただし注意点がある。今回、クラムシェルモードとタブレットモードそれぞれで、ACアダプターに接続しているとき、バッテリーで駆動しているときのパフォーマンスを計測してみたが、タブレット部単体ではdGPUを利用できないため、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2のスコアが約25%に相当する743にまで落ち込んだ。その一方で、バッテリー駆動時には極端な違いは見られなかった。Surface Book 3は、dGPUに依存するゲームやアプリはクラムシェルモードで動作させるべきだ。
CINEBENCH R20.060
・クラムシェルモード
電源接続:1655
バッテリー動作:1699
・タブレットモード
電源接続:1269
バッテリー動作:1163
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2
(標準品質/2560×1440/フルスクリーン)
・クラムシェルモード
電源接続:3013
バッテリー動作:3048
・タブレットモード
電源接続:743
バッテリー動作:582
※電源モードはそれぞれ最も高いモードに設定した
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FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2を実行中の表面温度は、タブレット部背面が最大48.6度、キーボード部表面が最大43.6度、キーボード部裏面が最大42.5度。ノートPCは一般的にキーボード裏面が最も温度が高くなるが、Surface Book 3はCPUが内蔵されているタブレット部背面が最も高温となっている
iPad ProとMacBook Proの領域をまとめてカバーできる1台
Surface Book 3は、iPad ProとMacBook Proをまとめてライバルに据えた2 in 1 PCだ。もちろんモバイルデータ通信機能、タブレットに特化したアプリの充実度、macOSならではの使い勝手を重視するなら両機種のいずれか、もしくは両方を選ぶべきだ。しかし、両機種の領域を1台でカバーしたいという方には最も理想に近い1台と言える。
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Surface Book 3 15インチで実測した色域はsRGBカバー率96.8%。ディスプレイの色域は、残念ながらiPad Pro、MacBook Proに及ばない。クリエイティブ向けにはもっと広い色域を期待したいところだ
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/07/12/surface-book-3/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Yoshitaka Suzuki
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