SkydioがシリーズCのラウンドで1億ドル(約107億円)を調達した。ラウンドをリードしたのはNext47で、新たな投資家としてLevitate CapitalとNTTドコモ・ベンチャーズが参加、また既存の投資家であるa16z、IVP、およびPlaygroundらも参加した。新たな資金は、製品開発の迅速化と消費者向けアプリケーションだけでなく企業や公共部門向けドローン技術に市場開拓に充当される。またSkydioは、米国時間7月13日に商用利用向けに設計されたドローンであるX2ファミリーを発表した。
2014年に創業されたSkydioは、これまでに総額1億7000万ドル(約182億円)を調達し、消費者向けドローンを2機種発売している。どちらも人工知能技術による自律的なナビゲーション機能を有している。これはドローンが人や物体を追跡するだけでなく、木や送電線といった障害物などを回避できるというものだ。それにより、プロの撮影クルーがヘリコプターから撮ったような映像を、一般消費者市場で1000ドル(約10万7000円)足らずで提供している。
2018年に登場した初代ドローンであるR1(未訳記事)は、2499ドル(約27万円)だった。そのインテリジェンスと追跡能力は印象的で、その後のソフトウェアのアップデートや2019年に発売された現在でも注文可能な第2世代のハードウェアによって改良は進んでいる。
Skydioの新しいドローンプラットフォーム「X2」は企業向けで、2020年の第4四半期に出荷される予定とのこと。X2ドローンは360度のスーパーズームカメラとFLIR 320×256解像度の赤外線サーマルカメラを搭載し、バッテリー駆動時間は35分、最大航続距離約10kmとなっている。またドローン用のSkydio Enterprise Controllerもありタッチスクリーン、ハードウェアコントロール、そしてまぶしさを防ぐ保護フードを避けるための日よけフードがある。
コンシューマーからエンタープライズへの移行は、Skydioにとってとても理に適ったものだ。まず、コンシューマーの世界で賞賛を受けてきた衝突回避や容易な操縦性は、エンタープライズでもそのまま使える。同社によると、その衝突回避機能は精度が高く、相当な近接撮影が可能なので、リモートでのインフラや機器装置類の点検に適しているという。人が乗ったヘリでは、危険すぎてそれだけの近接撮影はできないだろう。
X2は、自身の真上180度を撮影できるので、橋の下部のような頭上にある構造物をさまざまな角度から調べるのに適している。これは従来のドローンでは難しかった。また赤外線撮影を利用すれば昼夜連続の観察も可能であり、目的物のヒートマップを記録することもできる。
Skydioは今後もコンシューマー市場にもサービスを提供していくだろうが、同社の短い歴史の中での変化進歩は、投資家にとってとても魅力的なようだ。最初は高価だが高機能で、限られた人しか手を出せないコンシューマー製品から、その後、高度な機能のまま買いやすい価格の製品を出し、そして今度は同社がその技術で実現した経済性を、はるかに利益を生む可能性があるエンタープライズ向けハードウェアとソフトウェアへ転換しているようだ。
画像クレジット: Skydio
[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/07/14/2020-07-13-autonomous-drone-startup-skydio-rises-100-million-and-launches-the-x2-commercial-drone/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Darrell Etherington
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