医薬品の研究開発を支援する鳥取大発スタートアップが伊藤忠商事と資本業務提携

染色体工学 chromocenter クロモセンター CHO細胞 染色体解析

最先端の染色体工学技術をバイオ関連企業に提供する鳥取大学発スタートアップ企業「chromocenter」(クロモセンター)は7月13日、伊藤忠商事からの出資受け入れと業務提携を発表した。

今回の資本・業務提携により、同社の染色体工学の技術ノウハウと伊藤忠の国内外ネットワークを融合。国内外のバイオ関連企業の創薬研究活動に貢献するため、オリジナルCHO細胞(Chinese Hamster ovary:チャイニーズハムスター卵巣)による物質生産事業の加速化と多様化、染色体解析事業の業容拡大を目指す。

また昨今、バイオ医薬品はがん向けなどで医薬品売上ランキングの上位を占める一方、製造方法が複雑で高価な点が課題となっているという。chromocenterでは主力の染色体解析サービスを通じた製造の品質管理向上に加えて、同社のオリジナルCHO細胞の提供を通じて製造コストの低減につなげ、より一層のバイオ医薬品普及に貢献できると見込んでいる。

chromocenterは、「最先端のセル・プロダクション技術によって健康と医療の発展に貢献します」をミッションに掲げ、人工染色体ベクター技術、染色体解析(信頼性保証体制)サービス、オリジナルCHO細胞による物質生産技術をバイオ関連企業に提供するバイオテクノロジー関連スタートアップ。

同社は、2018年にオリジナルCHO細胞の新規樹立に成功。CHO細胞はバイオ医薬品作成に向け利用される宿主細胞にあたる。

同社のオリジナルCHO細胞は、従来大腸菌や酵母では生産が困難だったタンパク質を高収量・低コストで生産する特徴を備えているという。医薬品原料のみならず機能性食品や化粧品、化成品など幅広い分野におけるタンパク質原料の製造も可能になっている。

また同社では、アカデミア、製薬企業などから委託を受け細胞品質評価を実施。再生医療分野など細胞の医薬技術進歩に重要な技術と位置付けられており、国内外を問わず多数の依頼を引き受けているという。また、医薬品の当局申請に対応した、日本で唯一の受託試験企業として信頼性保証試験を提供している。


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