映像から情報を得る機会が増えているが、ソースの信憑性については疑う姿勢を身につけるべきかもしれない。
MITの研究チームはディープフェイクの危険性がわかるWebサイトを制作。moondisaster.orgにはニクソン大統領が実際には行うことのなかった演説の映像が掲載されている。
映像は非常にリアルなもので、知らない人が観れば歴史を誤って認識する可能性があるだろう。
アポロ11号による月面着陸計画失敗を想定
ニクソン大統領による演説は、1969年にニール・アームストロングとバズ・オルドリンが月面着陸に失敗した際のものだ。
ディープフェイク動画は、AIスタートアップのCanny AIおよびRespeecherと協力して制作。当時スピーチライターが保険として書いた原稿を読み上げる俳優の動きをニクソン大統領のものと融合させ、音声もAIにより合成した。
この「In Event of Moon Disaster」は、昨年のアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で上映され、デジタルストーリーテリング部門で審査員特別賞を受賞している。
月面着陸陰謀論の解説も
moondisaster.orgには、映像のほかにもディープフェイクについて理解を深めるための教育リソースが掲載されている。映像がどのように作られたかや、ディープフェイクについての解説と対抗するための取り組み、メディアリテラシーを備えることの重要性などがその内容だ。
またWebサイトでは、ディープフェイク技術がクリエイティブな用途にも活用できるとして、世界のリーダーが『Imagine』を歌うCanny AI制作の映像を例に挙げている。
実際に横行している月面着陸陰謀論を解説した記事などもあり、Webサイトを訪れれば事実とフィクションの判断がいかにむつかしいかが実感できるのではないか。
参照元:Tackling the misinformation epidemic with “In Event of Moon Disaster”/ MIT News
- Original:https://techable.jp/archives/132305
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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