斧1本で野営してみて分かった!無人島に刃物を持って行くならナイフ?それとも斧?

<不自由を自由にする野営スタイル>

「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。

サバイバル状況を想像し、「もし無人島に刃物を1本持っていくならば、何を持っていく?」と問われたら悩みます。無人島、すなわち物資が十分でない場所でサバイバルするために、どんな刃物が最適なのか?

私は、以前「ナイフ1本で野営して分かった効果的な使い方と工夫の仕方」という記事でも書いたのですが、使い方次第ですが、野営するのにナイフ1本でまったく問題はありません。しかも工夫のしがいがあり、十分に楽しめました。

しかし想像するブッシュだらけの無人島サバイバルを考えたら、私の答えは「斧を持っていく」でした。とはいえ簡単には無人島サバイバルはできないので、今回は斧1本で野営してどうだったのか? 考え方が変わったのか? を紹介していきたいと思います!

■野営で刃物を使うシーンは?

斧に限らず、野営(キャンプ)で刃物を使うシーンをおさらいしましょう。おそらく野営時に刃物を使用するのは、以下の4つ。

斧が得意な作業もありますが、不得手な作業もあります。

■寝床を作るための資材の切り出し

幕(タープ)を張る場合のペグやポールを倒木から作成したり、シェルター(生地は使わず、倒木だけで作成する場合)として使えるような太い丸太の切り出しなどに使用。

■焚き火の際の薪を割る

焚き火の燃料としての薪を切り出したり、割ったりする作業。

■料理の時に食材をカットする

食材を切る際に使用します。

■倒木を使ったクラフトワーク

倒木を使って、キャンプシーンを豊かにする道具を作る際に使用。例えば、ランタンや、クッカーを引っ掛ける道具を作ったり、お箸や、スプーン、フォークなどのカトラリーを作ったりする場合に使用します。

私の想像では、設営時と、焚き火時はナイフより斧の方が優位で、調理、クラフトは斧より、ナイフの方が優位だと思っていました。当たり前なのですが、パワーがある斧は粗い作業に、細かい作業は小回りの効くナイフの方が優位だからです。

それを踏まえた上で、無人島に行くのであれば、生存が優先されるので食材のカットは粗くても良く、生活を豊かにするためのクラフトも必要最低限できればOK。

つまり、体温維持のために、雨風から体を守るシェルターを作成したり、暖を取ったり、調理をしたり、煙を出すことで、殺菌や虫から身を守るための焚き火を作る方が優先で、それを行うための刃物として、大きな作業を得意とする斧の方がナイフよりも優位だと考えたのです。

■実際に斧1本で野営を行なってみて

結論からいうと、非常に苦労しました。まず、優位だと思っていた部分からのお話をしましょう。

設営や焚き火に関してですが、ポールを作るレベルであればまったく問題がなく、直径5〜10cmくらいまでの木であれば、カットするのも、苦労がないどころか、斧のパワーに助けられます。

しかし、それが、20cm以上の木をカットするとなると、非常に苦労します。もちろん木の硬さにもよると思いますが。この時は20〜25cmくらいの倒木をカットしたのですが、ノコギリであれば30秒弱でカットできるところ、斧で約2分かかりました。

これを考えると、木でシェルターを作る場合を考えたときに、必要本数を斧で切り出すまでに、自分の体力が尽きると実感しました。だとすると、斧に頼らないでカットできる木を選んで、使用した方がよっぽどいいのではないかと思います。

次に、斧が不利だと思っていた調理に関しては、逆に予想よりは使えました! 野菜や肉をカットするくらいであれば、問題なくいけます。あっ、私がもともと料理が下手っていうのもありますけどね(笑)

もちろん細かいことはできないので、必要最低限の作業しかできないと割り切って食材を用意する必要があります。ただ、無人島で考えると、魚や動物を捌いたり、貝の口を開いたり、など、もっと必要なシーンは増えると思うので、圧倒的にナイフに分があると思います。

最後にクラフトですが、これは予想通り、非常に苦労しました。必ずしも状態のいい倒木が集まるとは限りません。変なところに力を入れると割れる木が多いので、パワーがありすぎる斧だと、少し削っているつもりでも割れてしまうことが多々ありました。なので、今回作成したのは、クラフトと言えるレベルではありませんが、上の写真にあるような机がわりになる板と、串くらいのものでした。

■無人島に刃物を1本持っていくなら?

私の結論は、やはり、ナイフです。

今回斧1本で野営をしてみて分かったことは、斧のパワーが活かせると思った太い木の切り出しには、とても時間と体力を使うことと、そもそも細かい作業は向かないことが理由です。

特に、太い木の切り出しには想定以上に体力を使いました。サバイバルを考えると、体力の消耗は避けたいところです。サバイバル状況であれば、ナイフでできることしかしない方が良く、ナイフの方が圧倒的に汎用性が高いと感じました。

この野営をする前は斧だと完全に思っていたのですが、経験してみてわかることってありますね。皆さんも、想像するだけでなく、ぜひ、色々な挑戦をしてみてください!

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(文・写真/RYU

RYU/横浜元町ミリタリーキャンパー

RYU/「不自由は自由だ!」をモットーに、不便さの中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしております。 経験、スタイルを問わず、少しでも参考になる情報を発信して行きたいと思います。Instsgramアカウント:@ryu chikazawa、YouTubeアカウント:Ryu outdoor ch #不自由は自由だ #アウトドアをこじ開けよう「初代 @sotoshiru アンバサダー」「@tobuy_official インフルエンサー」

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