ソフトバンクグループでキャッシュレス決済サービスを開発・運営するPayPayは7月29日、各種ECサイトにPayPayでの決済機能を埋め込めるAPIを開発者向けに公開した。開発者向けサービス「PayPay for Developers」も利用可能になる。
PayPay for Developersは、ECサイトとPayPayの決済APIの連携した際の挙動をセキュアな状態でリアルタイムにデモで確認できる環境を用意。そのほか、ウェブペイメント、ネイティブペイメント、動的ユーザースキャン、アプリコールの機能もECサイトに搭載できる。
ウェブペイメントでは、スマートフォンやPCなどの異なる端末や、アプリ経由やブラウザー経由など異なる環境での決済への柔軟対応を実現する。利用者がPC(ウェブブラウザ)を使っている場合はサイト上にPayPayの支払い画面表示し、利用者がQRコードをPayPayアプリで読み取ることで決済が完了する。もしくは、ウェブブラウザ上で利用者がPayPayアカウントにログインして決済することも可能だ。スマートフォンで利用する場合は、ECサイトでの支払い時にPayPayを選ぶとPayPayアプリが起動し、アプリ上で決済が可能になる。
ネイティブペイメントは、「Yahoo!ショッピング」や「PayPayモール」などで利用されている決済方式。ECサイト側がPayPayアカウントを自社サービスのアカウントに連携させることで利用できる。アカウント連携が完了していれば、アプリの起動やQRコードの読み取り、PayPayアカウントへのログインなどは不要で、ECサイトのアカウントを使ってそのままPayPay決済ができる。具体的には、ECサイト内でPayPay残高を確認でき、購入する商品の金額にPayPay残高が足りていればそのまま決済できる。残高が足りていない場合はスマートフォンのPayPayアプリなどでチャージすれば、ECサイト側にも即時反映される(一度、決済前の画面に戻って、決済手段の再設定が必要な場合もある)。
動的ユーザースキャンは、PayPay決済を可能にするQRコードをウェブサイト上などに動的に表示する機能。タブレットやテレビ画面、自動販売機で支払うケースが想定されている。また、請求書の支払い方法としてQRコードの印刷が必要な場合などにも利用できる。
アプリコールは、スマートフォンでの決済時に各種ECサイトからPayPayアプリを呼び出せる機能だ。
PayPayの決済APIやPayPay for Developersを利用するには、開発者登録と加盟店申し込みが必要となる。開発者登録を済ませることで、Sandbox環境でAPI接続時のシナリオとコードスニペットを確認できる「PayPay Lab」が使えるほか、開発用のユーザーIDとパスワードを使って開発環境内でPayPayアプリを利用可能になる。API接続時のエラーハンドリングができる「PayPay Resolve」などのツールも用意されている。
新型コロナウイルスの蔓延でECサイトの需要が高まっているが、これまでバーコード/QRコード決済はクレジットカード決済に比べて大幅に出遅れていた。PayPay for DevelopersによってPayPayの決済APIが公開されることで、今後ECサイト上でのコード決済が広まっていくことに期待したい。
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/07/29/paypay-for-developers/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Hiro Yoshida
Amazonベストセラー
Now loading...