AIのトレーニングには、多様で膨大なデータが必要となる。Web上で簡単な課題を解くなど、データ収集にクラウドソーシングが活用されることはよくあるが、カーネギーメロン大学の研究チームが開発したアプローチは、もう少し積極的に参加したいと思わされるものだ。
研究チームは、ライブストリーミング配信プラットフォームTwitch用のゲームを用いてデータを収集する研究を行っている。収集の対象となるのは家庭の環境音で、AIシステムの開発に役立てる目的だ。
音のアップロードがゲームの展開に影響
家庭ではエアコンや洗濯機の稼働音からこどもの活動音まで、さまざまな音で溢れている。こういった音をAIが聴きわけることで、家電のメンテナンス時期や子どもの起床などを検知することが可能になるだろう。
研究チームが開発したゲーム「Rolling Rhapsody」では、視聴者が多種多様な音を投げ銭することで、配信者を応援できるようになっている。
ゲームの内容は、ボールを転がして海賊の陣地にある宝物を集めるというもの。視聴者はスマホアプリを使用して家庭の音をアップロードすることで、ゲームの展開に影響を与えることが可能だ。
プライバシーに関する同意はいつでも取り消せる
ユーザーデータの収集では、プライバシーへの懸念がネックになるが、この仕組みなら視聴者は喜んでデータを提供してくれるだろう。
プライバシーへの配慮として、視聴者はアップロードした音を後から削除することもできるし、最初した同意はいつでも取り消せるという。
今回の研究は家庭の環境音を対象としたものだが、視聴者への課題を変更すれば別の種類のデータを収集することも可能とのことで、ライブストリーム配信がさまざまなAI開発に貢献してくれそうだ。
- Original:https://techable.jp/archives/133477
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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