ヒトの注意力にはキャパがあるため、目にする情報の量/種類は限られてくる。このことから、情報量が増し、多様化したとしても、結局は慣れ親しんだものに触れる頻度が増し、もとの信念が強化されるのだという。
レンセラー工科大学らの研究チームは、アクセスできる情報量が増すにしたがって知識に偏りが生じ、誤った情報を信じやすくなる「情報アクセスのパラドックス」について分析し、解決策を示している。
情報量が過多になるにつれて価値観が分極化
研究チームはまず、独自の分析モデルを開発し、情報量が過多になるにつれて価値観が分極化していくことを示した。
また、触れる情報が偏る一因として、パーソナライズ可能なキュレーションシステムや、評価優先のレコメンデーションアルゴリズムをあげている。
そのうえで、消費者のバイアスを満たすのではなく、広い視野を提供するアルゴリズムを提案。同アルゴリズムは、ユーザーの消費傾向からだけではなく、多様な情報をダイジェストで提供するものだという。
コンテンツの整合性を検証するソリューションも発表済み
研究チームは、過去の研究でコンテンツの整合性を検証するソリューションを発表。同ソリューションではテキストと画像で利用でき、誤った情報の検出に役立つ。
メディアや企業など、情報を提供する側の性質も問われてくる。これを調べるために研究チームは、メディアの分極化の程度を測定し、緩和策を講じることでどう変化するかを予測するモデルの開発に取り組んでいるという。
同研究は、価値観が分極化する仕組みを解明するにとどまらず、課題それぞれに対するソリューションを示している点で興味深い。研究内容詳細はarXiv上で確認可能となっている。
参照元:New Algorithms Could Reduce Polarization Driven By Information Overload/ News Wise
- Original:https://techable.jp/archives/133669
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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