糖尿病患者は毎年網膜症の検査を受ける必要があるが、コストや不便さから検査を受けない人が多く、失明のリスクが見過ごされている。この課題を解決するため、Retina-AI Healthは網膜の画像を送付すると、すぐに検査結果をPDFで返すクラウドサービスを開発した。
10億人の患者に対し不足している専門家
網膜には健康に関する情報が多く含まれている。その状態を確認するだけで多くの疾患について理解が深まる一方、糖尿病患者を始めとして網膜の検査を必要とする10億人の患者に対し、その診断を行える専門家は不足しているという課題がある。
そこで、RETINA-AI Healthは人工知能を活用し、網膜の検査を簡素化するクラウドサービスを開発している。糖尿病の他にも、腎臓病・アルツハイマー病・肝疾患・貧血・自己免疫疾患・心臓病といった疾患の発症リスクを判定するのに使われる見込みだ。
画像を送ると診断結果が得られるサービス
RETINA-AI Healthのサービスは、網膜を撮影した画像さえあれば、かかりつけ医や薬局でも利用できるのが利点と言える。画像をアップロードすれば、即座に診断結果がレポートとして返される仕組みになっている。
2020年8月の段階では、FDA(米国食品医薬品局)から医療機器として市場に販売する承認は得られていないが、その有効性と安全性が証明されれば、多くの医療機関で導入が検討されるだろう。
2017年に設立された同社は520万ドルの資金を調達し、クラウドサービスの開発と規制対応を加速することが期待されている。
- Original:https://techable.jp/archives/134001
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:佐藤隆之
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