ジョンズ・ホプキンズ大、人工呼吸器をロボットでリモート操作できるシステムを開発

新型コロナの重症患者が増すにしたがって、人員や個人用防護具などの医療資源がひっ迫する。実際に医療危機を目の当たりにしたジョンズ・ホプキンズ大学の研究者らが、医療資源ひっ迫を緩和するためのシステムを開発した。

同システムは、人工呼吸器などの医療機器を集中治療室の外から操作するためのもの。タッチパネルに取り付けるタイプのロボットデバイスが含まれる。

医療資源の節約や医療従事者の感染リスク軽減に

集中治療室の患者のケアには、ただでさえ人手を要する。そんななかにおいて、医療機器のちょっとした調整にも、入室する際に個人用防護具を身に着け、退出後は慎重に脱ぐ必要があり、貴重な人員と個人用防護具の浪費につながっていたという。

医療機器をリモートで操作できれればその際の個人用防護具の着脱が必要なくなり、医療資源の節約や医療従事者の感染リスク軽減に寄与するだろう。

同システムが発案されたのは3月のこと。メリーランド大学らとのブレインストーミング中に、ジョンズ・ホプキンズ大学の研究者が思いついたものだという。以来研究チームによりシステムの開発が続けられ、プロトタイプが完成。このほどマネキンを使ったテスト実施に至った。

ロボットがタッチパネルで機器のパラメーターを変更

テストでは、別室のオペレーターがリモートでロボットデバイスを操作し、集中治療室内の人工呼吸器から送る酸素の割合などを変更した。

ロボットデバイスは人工呼吸器を操作するためのタッチパネルに取り付けられ、固定されたバーに沿ってスタイラスが移動。これをカメラの映像で見ながらオペレーターが操作する。操作の様子は動画でも確認することが可能だ。

まだテスト段階の同システムは、新型コロナ対応には間に合わない可能性があるとのことだが、ロボットによる医療機器の操作は、感染症患者をケアするうえでの標準的な手法となるかもしれない。

参照元:REMOTE CONTROL FOR COVID-19 PATIENT VENTILATORS/ Johns Hopkins Hub


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