空飛ぶ救急車が現実味! Urban Aeronauticsが救急医療サービス団体と開発で覚書を締結

そう遠くない将来、救急車が空から駆けつけるようになるかもしれない。垂直離着陸機(VTOL)の開発を手掛けるイスラエル企業Urban Aeronauticsが、多国で活動を展開する緊急医療サービス非営利組織Hatzolahの米国拠点航空部門Hatzolah Airと了解覚書を交わしたと発表した。

現場で実際に使える「空飛ぶ救急車」の開発・生産・投入を目指す。

CityHawkがベース

街中での大惨事で、救急車やヘリコプターなどが現場に近づけない場合に活用できるVTOLを協力して開発する。

ベースとなるのは、Urban Aeronauticsがすでに開発し、フライトテストも行っているVTOL のCityHawkだ。VTOLは和訳名にある通り、垂直に離着陸する能力を有する。そのため、滑走路や専用ポートを必要とせず、あらゆる場所にアクセスしやすい。つまり、現場に早く駆けつけられる。

ブレードの露出なし

多くの企業が開発を進める空飛ぶタクシーもVTOLだが、救急車向けのCityHawk改造バージョンが通常のVTOLと一線を画すのは、ローターやブレードが内部に収納されている点だ。

Urban Aeronauticsが公開したイメージ図を見ると、改造バージョンは大型のセダンのようなデザインで、前部と後部にローターやブレードが内蔵されている。この構造ではブレードが回転していても周囲にいる人の安全を確保できる。

改造バージョンはまだプロトタイプもできていない段階だが、計画では最大積載量は760キロで最高速度は時速270キロ、パイロット含む5人が搭乗した場合の航続距離は150キロとなっている。

Urban Aeronauticsは3〜5年以内に開発を完了させて米連邦航空局の認証を得たい、としている。

Urban Aeronautics

(文・Mizoguchi)


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