ワクチンや医薬品の開発においては、ウィルスや免疫系の挙動をナノスケールで解明することが不可欠だ。
こうしたなか、イリノイ大学の研究チームが生体分子の画像化に活用できる技術を開発した。
同技術では、機械学習モデルを含むタスクを実行することで液相透過型電子顕微鏡の機能をサポート。水槽内でのナノ粒子の挙動を露わにする。
ノイズを取り除いて有用なデータを取得
液相透過型電子顕微鏡を利用してナノ粒子の挙動を記録するうえで、ノイズが多く含まれるビデオデータを処理する必要がある。そこで研究チームは、外れ値やノイズを効率よく取り除いて有用なデータを取得する手法を開発した。
機械学習を用いるこの手法では、「U-Net」というニューラルネットワークをベースに構築したモデルをワークフローに落とし込んでいる。
同手法の有効性を実証する実験では、ナノ粒子の3種類の挙動、運動、化学反応、自己組織化を記録できたという。ナノ粒子の挙動はYouTube動画で確認できる。
タンパク質などのナノ粒子の画像化にはまだ課題も
金ナノ粒子を使用した実験は成功したが、特定のタイプのナノ粒子の画像化にはまだ課題が残されている。
タンパク質やプラスチックポリマー、その他の有機ナノ粒子のように分子量の小さい粒子は、コントラストが非常に低いため依然として画像化が困難だという。
研究チームは、機械学習モデルとワークフローを公開しており、今後の材料科学の発展に役立てる意向だ。
参照元:Machine learning peeks into nano-aquariums/ Illinois news
- Original:https://techable.jp/archives/135835
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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