超高速の次世代輸送システム「ハイパーループ」のTransPodが、建設を視野に入れた開発の覚書(MOU)をカナダ・アルバータ州と締結した。
まずは実現可能性の調査を行い、研究・開発、テストのフェーズを経て、最終的には2025年に同州エドモントンとカルガリーを結ぶハイパーループ建設に着手する予定だ。
真空ポッド内を浮いて走行
ハイパーループは真空状態チューブの中を、客を乗せたポッドが走行するというもの。ポッドはチューブ内で浮いた状態、つまり摩擦なしに走行でき、スピードは時速1000キロと新幹線以上の超高速移動が可能になる。
そのハイパーループをアルバータ州に持ってくることで、高速かつエミッションフリーの環境に優しい交通手段を市民に提供しつつ、州の経済活性化につなげるのが覚書の狙いだ。
3万8000人の雇用創出
発表では、今年から2022年にかけて実現可能性の調査を行う。その後、研究と開発を進め、その一方で2022年から試験トラックを建設し、スピードテストを実施する。その結果をふまえ、順調にいけば2025年に建設に着手するという計画を描いている。
TransPodによると、調査段階から民間投資を呼び込み、10年間で3万8000人分の新規雇用が州内で生み出されると予測している。
一方、建設後のメリットとしては、年間最大30万トンの二酸化炭素排出削減が期待できるという。
ハイパーループを手がける企業としてはヴァージングループのHyperloop Oneや、Hyperloop Transportation Technologies(HTT)があり、それぞれに米国やフランスでテストを開始している。
実際にいずれかの社のハイパーループ商業運用が始まり、経済効率や環境への負荷抑制が認知されれば、導入を検討する自治体がさらに増えそうだ。
(文・Mizoguchi)
- Original:https://techable.jp/archives/136719
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi
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