カナダのスタートアップ、Furrion Exo-Bionics社が、10年以上かけて開発した巨大パワードスーツが完成した。同社は、これを装着した人間同士が競い合うレース競技の開催を目指し、パイロット養成講座を開講している。
総重量4トン、高さ4.5メートル
「Prosthesis(プロステーシス)」と命名されたそのパワードスーツは、総重量4トン、高さ4.5メートルという巨大なもの。
2017年にプロトタイプが出来上がり、クラウドファンディングで実機製作の資金集めに成功。数多くのフィールドトライアルと部分改良を繰り返し、ついに現実のものとなった。
外見は四足歩行の巨大ロボットのようだが、ロボットとは決定的な違いがある。それは、人(パイロット)の動作がそのまま動きに反映されること。コックピットにハンドルや操作パネルのようなものはなく、パイロットの手足は操縦装置に直接ストラップで固定されている。パイロットが足を交互に動かせば「Prosthesis」は歩き、手を上げれば「Prosthesis」が前足を上げるというわけだ。
コンピューターによるオートパイロットや姿勢安定装置などは一切無いので、下手に動けば当然転ぶ。その一方、技術さえ習得すれば、自動車を持ち上げたり、雪原を走ったり、岩山を登ったりもできるそう。
巨大パワードスーツでレース競技
Furrion Exo-Bionics社はもともと、「Prosthesis」をスポーツ用のパワードスーツとして作った。コンピューターによるアシストシステムが排除されているのはそのためだ。体の動きがそのまま反映されるので、一般のスポーツ同様、人間の身体能力と精神力をベースにした競技ができるという。
同社は今、複数台の「Prosthesis」によるレース競技会を企画しており、その出場者となり得るパイロットの養成講座をスタート。「KICKSTARTER」で受講生を募集中だ。開講地はカナダ・ブリティッシュコロンビア州。マンツーマンのほか、グループで受講するコースもある。
- Original:https://techable.jp/archives/137061
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:信人安谷
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