環境に優しい乗り物として先進国を中心に電気自動車(EV)への移行が進んでいるが、自動車メーカーが頭を悩ませている課題がある。EVに使用するバッテリーに寿命があり、使用済みとなったものの扱いだ。
そこで、Volvoが導入するのが使用済みバッテリーを集合住宅用のエネルギーストレージとして再活用するという方法。提携企業とすでに取り組みを進めている。
他の用途では十分な容量
Volvoが欧州で電気バスを導入して数年になり、そのバスで使用したバッテリーを別の形で使用する。
再利用にあたっては、VolvoはStena Recycling社の子会社Batteryloop社と提携。電気バスで使われたバッテリーをVolvoが取り出して提供し、Batteryloopがそれらを引き受け、活用する。
そもそもバッテリーは使用している間に消耗していき、いずれ新品に取り替える必要に迫られる。ただし、使用済みのものはバスを動かすには容量が不足していても、元々の容量が大きいために他の用途では十分に使える。そうしたものを再活用しようというのが取り組みの根底にある。
ソーラー発電のストレージに
現在、Batteryloopは使用済みバッテリーを集合住宅のエネルギーストレージに活用するプロジェクトを進めている。Stena Recyclingの関連会社がスウェーデン・ヨーテボリに所有する集合住宅に設置し、ソーラーパネルで発電した電気のストレージとして活用する。
電気は住宅の公共エリアの電源として活用したり、街頭を灯したりするのに使われる。そして余剰分は電力会社に販売する。
そうした使用方法でバッテリーが何年くらい使えるのかは不明だが、ストレージとして使えなくなれば最終的にリサイクル処分となる。
EV使用済みバッテリーの再活用方法としては、日産が街灯のストレージに使う取り組みをすでに展開しているが、企業責任として日産やVolvoに続く動きが出てくることが期待される。
(文・Mizoguchi)
- Original:https://techable.jp/archives/137410
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi
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