3Dゲームエンジン開発のUnityがIPO、正式な取引初日に株価が31%以上も上昇

ビデオゲームで稼ぐことはできないと言っていた人は、明らかにUnity Softwareの株価を見ていない。

正式な取引初日、同社の株価は31%以上も上昇した。1株当たり75ドルで始まり、68.35ドルで取引を終えた。Unityの株価上昇は、昨夜同社の株価が1株当たり52ドル(Business Wire記事)と、44ドルから48ドルのレンジ(未訳記事)を大きく上回り、それ自体が同社の当初の目標を上方修正したあとに来た。

「Pokémon GO」や「Iron Man VR」のようなゲームはUnityのソフトウェア開発環境に依存しており、同社のツールキットをサポートに使用しているほかの多くのモバイルゲームアプリケーションも同様だ。同社の顧客は、小規模なゲームパブリッシャーから、Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)、Niantic(ナイアンティック)、Ubisoft(ユービーアイソフト)、Tencent(テンセントなどの大手ゲーム会社まで多岐にわたる。

UnityのIPOは、クラウドベースのビッグデータ分析会社のSumo Logic、データ特化型クラウドサービスのSnowflake、パッケージリポジトリのJfrogなどの評判のいいデビューIPOに続くものとなった。TechCrunchは米国時間9月18日の株取引の時間外にUnityのCFOであるKim Jabal(キム・ジャバル)氏に取材し、取引について少し掘り下げた。

同氏によると、機関投資家向けの会社説明会であるロードショーをZoomで開催したことに利点があるという。彼女のチームは1日に1つの地域に集中して業務に取り組む必要がないため、Unityでは特定の火曜日の朝、ボストンやシカゴで誰が暇だったかではなく、会社が会いたがっている人に基づいて時間を 「最適化」 できる。

ロードショーが対面ではなくデジタル形式でうまくいっていると聞いたのはジャバル氏が最初ではない。もし旧式のロードショーがこれからも生き残れば私たちは驚くが、民間のプライベートジェット会社は将来的にはビジネスを失うだろう。

取引自体についてジャバル氏は、従業員、価値、そして従業員が持つ同じ価値感について強調した。SECへの提出書類によると、UnityのIPOのユニークな点は現従業員と元従業員は「現執行役・現取締役」を除き、初日に所有株式の15%を売りに出せたことだ。

この行為は同社株への投資家の熱意を削ぐものではなく、むしろ早期の株価上昇に貢献した。結果、需給曲線の両サイドがより早く会社の真の価値に近づくことを可能にしたようだ。

UnityのIPO価格設定について同氏は、「データ駆動型のプロセス」と呼ぶものについて議論した。そのプロセスを採用した結果、IPO価格は上昇幅を超え、取引初日に上昇したが50%以下だった。これはIPOで期待以上のいい結果だ。

最後にSaaSオタクの方に向けてひと言。米証券取引委員会の言葉を借りれば、Unityの「ドルベースの純増率」は2020年に「非常に良好」から「優秀」になったという。

既存顧客の収益の拡大率を測定する「ドルベースの純拡大率」は、引き続き12カ月間の既存顧客の収益の拡大率を測定し、2018年12月31日時点の124%から2019年12月31日時点の133%、2019年6月30日時点の129%から2020年6月30日時点の142%へと成長し、この戦略の力を実証している。

私たちは聞かざるを得なかった。そしてその答えは「同社のプラットフォームの強さと、顧客がどのように時間をかけてUnityのサービスをより多く利用する傾向があるかの組み合わせであり、それは顧客とともに成長している」と同氏は説明する。2つ目のカギとなる要素は「ゲームを中心とした利用の増加」によってUnityに「追い風」を与えた2020年特有の状況だったという。

2019年と比較した2020年の自身のゲームレベルを見るとその差は明らかだ。

 

この記事で今週のIPO関連の話題は終了だ。次はPalantir、そしてAsanaが控えている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)


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