店舗の冷蔵食品棚に使われているガラスの扉をインタラクティブなデジタルディスプレイに置き換えるCooler Screens(クーラー・スクリーンズ)がシリーズC投資ラウンドで8000万ドル(約85億円)超を調達したと発表した。
同社の累計調達額は1億ドル(約105億円)を超える。最新の投資ラウンドはVerizon Ventures(VerizonはTechCrunchを所有する)、Microsoft(マイクロソフト)のM12ベンチャーファンド、GreatPoint Ventures(グレートポイント・ベンチャーズ)、Silicon Valley Bank(シリコンバレー・バンク)などによるものだ。
Cooler Screensは共同創業者でCEOのArsen Avakian(アルセン・アバキアン)氏が率いている。これより前にArgo Tea(アルゴティー)を創業してCEOを務めた同氏は、i2 Technologiesを含む数多くのテック企業で働いたと筆者に語った。
「冗談みたいですが、私はITからお茶の世界に入り、現在ITに戻っています」と同氏は述べた。また、Cooler Screensはテック企業であり、自身の過去の経験すべてを活用しているが、消費者ブランドをいかに構築するか理解する必要がある、とも同氏は述べた。
単なるガラスの扉を電子ディスプレイに変えるというのは必要不可欠なものではないかもしれないし、うっとうしいものですらあるかもしれない。アバキアン氏は最優先事項は「消費者のハートをつかむこと」だと語った。
結局のところ、我々はオンラインで商品を購入する前にできる限り下調べすることに慣れているが、実在店舗での買い物となると利用できる情報はかなり少ない。それをCooler Screensが変えようとしている、とアバキアン氏はいう。「あなたはスクリーンに『ベジタリアン向けのアイテムを表示して』『この製品のカロリーは?』などと尋ねることができます」。
同社のディスプレイはすでにいくつかの店舗で利用できる。シカゴエリアのWalgreens(ウォルグリーン)50店舗に導入済みで、Cooler Screensは全米のWalgreens2500店舗に拡大する計画を発表している(Cision PRWebリリース)。他にKroger(クローガー)とGetGo(ゲットゴー)とも提携している。
アバキアン氏は提携に基づき店舗に「洗練されたデジタル商品化とコンテクストを伴う広告テクノロジー」をもたらす、と述べた。
同氏はまた、「当社は店舗をデジタル化することができます。そうすることで消費者に愛されることを示したいと思っています。NPSスコアは非常に高くなるでしょう。もしそれらすべてをあなたに証明できれば、あなたの店舗の消費者に関係するCPG(消費財)ブランドにこのマーケットプレイスを提供し始めます。当社が広告のラストマイルを担うことになります」とも話した。
他の形態をとるデジタル広告と異なり、Cooler Screensは視聴する人のいかなる個人情報も収集しない、と同氏は語った。「消費者が買い物の最中という安全な環境」で消費者にリーチする方法を提供するというのは、広告主にとっては魅力的だ。
2020年3月以来、同社のプラットフォームを利用する広告主は40ブランドから150ブランド近くに増えたとアバキアン氏は述べた。
同氏はWalgreensやKrogerのような店舗がパンデミック中、多くの買い物客にとって必要不可欠な存在だったことを指摘しながら「実在の小売店舗が普及しているというのは皆が認めるところです。ただ刷新する必要があります」と指摘した。
カテゴリー:ハードウェア
タグ:Cooler Screens、資金調達
画像クレジット:Cooler Screens
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(翻訳:Mizoguchi)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/10/06/2020-10-05-cooler-screens-series-c/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha
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