近年の合成生物学の進展により、環境に応じて特定の反応をするよう生体の構成パーツ(生体材料)がプログラミングできるようになっている。これを応用することで、例えば免疫細胞をプログラミングして、細菌の量に応じた攻撃を促す……といったことができそうだが、残念ながら現時点では、それほど複雑な処理を実行させることはできないようだ。
こうしたなかジョージア工科大学の研究者チームは、これまでデジタルで扱われてきた「人工生体回路」にアナログのアプローチを導入することで、技術を一歩推し進めている。
細菌からの信号をデジタル変換して利用
研究チームは、身体の中でやり取りされる情報に応じて、適切なタイミングや用量の薬を投与する「プログラマブルな免疫」の開発を目指している。
まずは、生体材料で作られた演算回路により、細菌からの信号を1と0に変換できるようにした。この値から、細菌を殺すのに過不足のない薬剤投与量を決定できる。
ここまでは、シンプルな論理ゲートにより設計可能だが、新たな研究で研究チームは、デジタルではなくアナログ処理に焦点を当てている。
アナログで情報を処理する新アプローチ
研究チームによる生体回路では、タンパク質の分解に関連した酵素反応を利用して信号を変換している。今回、この反応を1/0ではなく複数の値として扱うことで、より微妙なアプローチが可能となった。
生物化学的な反応は0と1だけではないので、アナログで情報を処理することが重要になるという。
将来的には、体内に常駐し、感染症やガンなどを攻撃してくれる生体回路が開発される可能性がある。
参照元:‘Programmable Medicine’ is the Goal for New Bio-circuitry Research/ Georgia Tech News Center
- Original:https://techable.jp/archives/139696
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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