パソコン上で完結する仕事に関しては、進捗追跡の労力を意識することはほとんどないだろう。ただリアルで行われる仕事に関しては、記録や口頭での説明など、管理に多大な時間と労力を要する。
建設業ではこれが顕著で、ともすれば管理者が現場に立ち会っての進捗確認が必要となる。こうした非効率な状況を打破しようと開発されたのが、MIT発のスタートアップOpenSpaceによるソリューションだ。
OpenSpaceは、360度カメラとコンピュータービジョンによって、建設現場のタイムスタンプ付きデジタルレプリカを作成する。
リモートから建設現場を全方位的に確認できる
従来、建設プロジェクトの記録は、文書や写真で行われてきた。管理者やクライアントに進行状況を示すのにも写真が利用されるが、これは建設物の一部を切り取っているにすぎず、完全な状況を把握するには現場に足を運ぶしかないだろう。
OpenSpaceビジョンエンジンを活用すれば、写真は作業計画に自動的にマッピングされ、Googleストリートビューごとく、リモートから建設現場を全方位的に確認できる。デジタルレプリカにはタイムスタンプが付いているため、昨日や1週間前の状況確認も可能だ。
OpenSpaceはこれまで、橋や病院、サッカー場、住宅など、のべ15億m2を超える建設プロジェクトに同ソリューションを導入してきた。
360度写真をAIがマッピング
デジタルレプリカを作成するためには、360度カメラ搭載のヘルメットをかぶって現場を歩くだけだ。カメラは0.5秒ごとに写真を撮影し、AIが正確な位置を特定する。撮影データをプラットフォームにアップロードすると、15分以内に写真が作業計画にマッピングされる。
撮影データを定期的にアップロードすることで、建設速度や使用された資材の量なども計算してくれて、人/資材のコスト算出にも役立つという。
同ソリューションは、コスト削減や適正化を支援し、これまでむつかしかった非デジタル業界の業務効率改善を推し進めてくれそうだ。
参照元:Bringing construction projects to the digital world/ MIT News
- Original:https://techable.jp/archives/140257
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji
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