三菱電機が“ニューノーマル時代”を見据えた単身世帯サイズの2ドア冷蔵庫2機種4モデルを発表した。ラインアップは容量168Lの「MR-P17F」と、容量146Lの「MR-P15F」の2機種。カラーはマットチャコールとマットホワイトの2色を用意する。
▲三菱電機が2020年11月20日に発売する2ドア冷蔵庫。左が容量168Lの「MR-P17F」（実勢価格6円5000円前後）で、右が容量146Lの「MR-P15F」（同5万5000円前後）
どちらも電子レンジなどを設置できる耐熱トップテーブルを採用するが、新たに「フルフラットトップテーブル」を採用したのが大きな特徴となっている。一般的な冷蔵庫のトップテーブルはドアの上部まで伸びていないが、新モデルはドアの上部まで広げたことで、冷蔵庫上部のスペースがさらに広く使えるようになった。
▲ドアの上部まで天板が延びた「フルフラットトップテーブル」を採用した
■冷食パスタは18食まで収納できる冷凍スペース
三菱電機 静岡製作所 営業部 冷蔵庫営業課の徳山晴基氏は「茶わんサイズで言うと3.5個分くらいスペースが広がります」と語る。
▲三菱電機 静岡製作所 営業部 冷蔵庫営業課の徳山晴基氏
「電子レンジで冷凍ゴハンを解凍するシーンでも安心して扱えます。飲み物を飲むときのシーンでも、コップを置いて氷を入れ、飲み物を注ぐのも簡単です。コップを置いたままでドアを開けてもグラつくことがないので、安心して使えます。大きなスペースがあるので、サラダの野菜などをあらかじめ切っておいて取り分け用に置いておき、ほかの調理をする『並行調理』なども楽にできます。電子レンジを置かない人にとっては、上のスペースを広々と使えるので、皿や食器の専用収納スペースとしても使えます」（徳山氏）
▲電子レンジを置いても前にスペースがあるので、温めたご飯をそのままお茶碗に入れることも可能
▲調理中に一時的に食材を置くスペースとして使ったり、食器置き場としても使える
▲トップテーブルの上にものを置いたままドアを開閉しても安定している
トップテーブルには目安線が記してあり、線の奥側の電子レンジなどを設置できるスペースの耐荷重は30kg。線の手前側は10kgの耐荷重を実現しているとのことだ。
「我々としては、10年ぶりにデザインを変えました。ドアの上部までトップテーブルを伸ばすのは強度を保つのが難しいという課題がありましたが、鉄板を入れることで丈夫な天板を作れたので、フルフラットのトップテーブルを採用できました。奥側は30kgまで、その手前は10kgまで置けるので、かなり重いものでも置けるトップテーブルに仕上がっています」（三菱電機 静岡製作所 営業部冷蔵庫営業課 遊佐正治氏）
デザイン面では、角張っていないのでインテリアになじみやすいラウンドデザインを採用しており、カラーはこれまでの光沢タイプとは違うマットカラーに変更された。
「トップテーブルがドアの上部まで伸びているため、冷蔵室の中身にホコリが入りにくいので、冷蔵室の中身も清潔に保てて掃除もしやすいです」（徳山氏）
ドアポケットは3段に分かれており、上段の棚は可変式になっている。
「棚を上にすると中央に500mlペットを入れられて、下にずらすと上に350ml缶、中央に500ml缶を入れられる。このように、使い方に合わせて調整できるのが魅力です」（徳山氏）
▲ドアポケットの上段棚は高さを変えられるようになっている
冷凍室の容量はどちらも46Lだ。
▲冷凍室は2段になっており、冷凍パスタだと18食分を入れることができる
「冷凍パスタだと18食分入ります。引き出しを備えた2段式で、上の段にはアイスや製氷皿を置くスペースもあるので便利に使えます」（徳山氏）
■“ステイホーム”時代の単身世帯の手助けになる冷蔵庫
家電の新製品開発には通常1年半から2年はかかるため、ニューノーマル時代に合わせて作ったというわけではないのだろうが、この新モデルの冷蔵庫はまさに新型コロナウイルス禍のステイホーム生活で自炊が増える単身者にはピッタリのモデルと言えるだろう。
単身者向け住宅のキッチンはファミリー向けに比べて狭いこともあり、冷蔵庫には100℃以上の熱に耐えられる、つまり電子レンジやオーブンレンジなどを設置できる「耐熱トップテーブル」が求められる。電子レンジなどを置かなくても、食器棚など何かしら置けるスペースとして重宝する人は多いはずだ。
発表会のセミナーでは、整理収納アドバイザーの七尾亜紀子氏が「同じキッチンツールでも使用頻度の高いものだけを出して、ほかは収納する」、「三角コーナーをたためるゴミ袋スタンドにするなどしてスペースを有効活用する」、キッチン下のスペースは「空間を区切れるラックやスタンドなどを使って活用してスペースをうまく使う」、「100円ショップのかごなどを使って、モノの定位置を決める」といったコツを紹介した。
▲整理収納アドバイザーの七尾亜紀子氏
冷蔵庫の中は「消費期限が気になる食材や使いかけの食材を1つのカゴにまとめて、そこだけチェックすればいいようにする」、冷凍室は「食品を上に重ねずに立てることで、見通しやすく管理もしやすくなる」といったコツも披露。キッチンスペースを美しく活用するため、真似したいテクニックだ。
「単身世帯サイズのキッチンでは冷蔵庫が占める割合が大きいので、ここを効率的にするのはとても重要です」と七尾氏は語っていた。
狭いキッチンで料理をするのは決して楽ではないが、三菱電機が提案する新たな「フラットトップテーブル」はドアを開閉しても不安定にならないため、調理時の“ちょい置き”などにも活用しやすい。派手ではないが、かなりいい目の付けどころなのではないだろうか。
>> 三菱電機 冷蔵庫
＜取材・文／安蔵靖志＞
安蔵靖志｜IT・家電ジャーナリスト 一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー、スマートマスター。AllAbout家電ガイド。ITや家電に関する記事執筆のほか、家電の専門家としてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。Facebookはこちら
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